- 目次 -
1.はじめに
2.適用
バージョン
3.動作に
必要なもの
4.インストール
手順
5.使用する前の
準備
6.ソフトウェア
の使い方
7.エンジン情報
センサ情報一覧
8.FAQ
コーヒーブレイク
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ダイアグスキャナー 取扱説明書
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PDF版と内容が異なる場合があります。
一部に古いバージョンのままの記載があります。
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Q3-8 |
ダイアグコードが表示されました。しかし故障していた部分は、ダイアグコードの内容と少し違う場所でした。
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A3-8 |
ダイアグコードの意味は、ISO 15031などで明確に規定されています。
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(1) |
ダイアグコードの定義
例えば P0300 の場合、ISOではRandom/Multiple Cylinder Misfire Detected と規定されています。直訳をすれば、複数の気筒で失火を検出したという意味です。車両がISOに準拠している場合、複数の気筒で失火を検出すればこのダイアグコードが出ます。トヨタ、日産、ホンダ、ダイハツ、スズキ、メルセデス、BMW などの、どのメーカーのどの車両でも同じです。しかしISOでは、ダイアグコードとの意味付けは定義されていますが、判定方法については規定されていません。
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(2) |
異常の判定方法
この場合、「複数の気筒で失火を検出した」 という判定の方法は規定されておらず、その方法はメーカーによって様々です。同じメーカーであっても、採用しているエンジンシステムが異なれば判定方法が異なる場合があります。例えば、以下の状況から判定できると思いますが、実際にどうやって判定するかは様々です。
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失火すればノッキングが発生するので、ノックセンサーで判定 |
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出力が一時的に落ちてクランクシャフトやカムシャフトの回転数がばらつくので、それらの角度センサから判定 |
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失火すれば未燃焼の酸素によって空燃比がリーンな状態と誤判定されるため、02センサから判定 |
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単純に点火時のコイルのフィードバック電圧から判定 |
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(3) |
表示されたダイアグコードの故障診断
失火とは、混合気が正常に燃焼しなかったということですので、原因は点火系統、燃料系統、吸排気系統にあります。
点火系統であれば、
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イグニッションコイルとエンジンコンピュータを繋ぐハーネスの断線など |
燃料系統であれば、
吸排気系統であれば、
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気筒内のカーボンの堆積によるプレイグニッション |
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インテークマニホールドやエキゾーストマニホールドのカーボンの堆積によるエアフロー不足 |
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ISCVやスロットルバルブの異常動作による空気不足 |
などのように、原因は多様にあります。通常は、失火したときにP0300以外のダイアグコードも一緒に発生するため、それらのコードから総合的に判断をします。
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(4) |
誤判定によるダイアグコード
失火の判定方法は、上記の説明の通り、様々なセンサの状態から判断します。
つまりそれらを判断するためのセンサや配線に異常があれば、その異常な状態から失火と誤判定される場合があります。
点火系統、燃料系統、吸排気系統に問題はなく、実際に失火がなくても失火と誤判定される場合があります。
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(5) |
異常の判定能力
「複数の気筒で失火を検出した」 という判定方法は規定されておらず、その判定はメーカーによって様々です。つまり、各メーカーごとにダイアグの精度が高い、悪いといった差があります。例えば、このメーカーのトランスミッション系統のダイアグはとても精度が良いので対応しやすいというように、異常と判定する能力には精度や質の差があります。そもそも少なくとも日本国内では、ダイアグコードの精度についてクレームを言う人が非常に少ないようです。ユーザーが声を上げていけば、精度が高まるかもしれません。
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