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No.2054 2021.12.10





車載用ACインバーター比較 2021冬 構造編1






□ 1.この5年で色々変わりました

前回 No.2005 車載用ACインバーター比較 2016春 を書いてから5年経ちましたが、勢力図が大きく変わりました。Amazonで売られているのはほとんど中国メーカー製で、評価も高いです。国内メーカーは衰退してしまったようです。ランキング上位の機器を入手して、どんな感じなのかチェックしてみました。車載用ACインバーターの仕組みや制限、選び方等は前回のレポートNo.2005 を参照してください。


□ 2.比較機種一覧

ランキング上位機種、色々な機種を展開しているメーカーの良さそうだと思った物、国内メーカーで良さそうな物を選定しました。出力は120W以上可能で、3000〜4000円で買えるものを対象としました。


※ランキングは、2021.12.5時点
No製品名W数AmazonランキングAmazon取扱開始日ケースの材質
@LST LST-1200W1位2018/1/28プラ
A Amison US-M5-1 200W2位2020/11/20プラ
B BESTEK MRI1510AU 120W16位2018/9/5金属+プラ
C エーモン 8626 120W26位2021/3/3プラ
D BESTEK MRI3010BU 300W40位2019/5/15金属
E メルテック SIV-150 120W58位2016/11/4金属
F LST 2011SK-8 200W144位2021/1/5プラ


@LST
LST-1
AAmison
US-M5-1
BBESTEK
MRI1510AU
Cエーモン
8626

DBESTEK
MRI3010BU
Eメルテック
SIV-150
FLST
2011SK-8



□ 3.負荷テスト

テスト結果は、レポート No.2053 車載用ACインバーター比較 2021冬 実力編 を参照してください。


□ 4.構造確認

@LST LST-1
AAmison US-M5-1
BBESTEK MRI1510AU
Cエーモン 8626

D〜Fは、構造編2を参照してください。

@ LST LST-1 200W

中華製らしいシンプルな箱です。

外観です。樹脂製ケースです。AC100Vコネクタと一体型です。

USBポート(5V出力)です。

冷却ファンの通風口です。

表面の裏側です。

基板です。左側が昇圧用コイルとFET、真ん中がAC100V生成用のダイオードとFET、右がUSB(5V出力)です。

AC100V生成部分に使うFETです。左上に、FETを動かすトランジスタと制御するICらしきものがあります。COS630という物が使われています。COSというメーカーを探してみましたが、よく分かりませんでした。630とあるので、IRF630等のコピー品でしょうか?

AC100V生成部分に使う整流ダイオードです。ES3Dという物が使われています。200V、3A、Vf=0.9Vのようです。

制御用と思われるICです。SGR-NX002と記載されています。調べてもよく分かりませんでした。

昇圧に使うFETです。Perfect Intelligent Power Semiconductor(PIP)という中国企業のPTP9506EというNchのFETが使用されています。VDS=68V、ID=95A、RDS=6.5mΩとのことです。

下側がAC100Vの端子部分です。

USB(5V出力)の回路です。AC100V生成で出るノイズ対策でしょうか?コイルなどが付いています。

基板裏面です。AC/DC分離やAC回路の安全性はあまり考えていないようです。

昇圧用コイルのはんだ部分です。スルーホールの周りにビアのようなものが円周状に並んでいます。クラック対策か、ベタ面積が大きい場合でもはんだが溶けやすくする工夫でしょうか。

AC100V生成用のFETのはんだ部分です。表面にて0Ωでジャンパされ、温度サーミスタ?が未実装になっているスルーホールのはんだが球になっています。各部のはんだ量もバラバラな感じです。安全性についてはあまり考えてないのでしょうね。





A Amison US-M5-1

中華製らしいシンプルな箱です。

外観です。ケースは樹脂です。

冷却ファンの通風口です。

入力電圧の表示がされます。

基板です。左下が昇圧回路、真ん中下がAC100V生成、右側がUSB(5V出力)です。

電圧表示用のICだと思われます。Mcind MLED-3というICが使用されています。

昇圧とAC100Vの生成制御ICだと思われます。Mcind MND1903というICが使用されています。

昇圧とAC100Vの生成部分です。

AC100V生成のFETにはWXDH Electronicsという中国企業の物が使用されています。640とあるので、IRF640等のコピー品でしょうか?

昇圧用のFETです。COS180N04という物が使用されています。詳細について調べてみましたがよく分かりませんでした。

AC100V生成部分に使う整流ダイオードです。ES3Dという物が使われています。200V、3A、Vf=0.9Vのようです。 中華製のインバーターはコピー回路なので、みんな同じようなICや素子を使用しているようです。

AC100V生成のFETの隣には、NTC10D-11 という温度サーミスタが付いています。

基板裏面です。この基板もAC分離やAC回路の安全性はあまり考えていないようです。

一部のはんだ部分は、手はんだの跡があります。



B BESTEK MRI1510AU

中華製らしいシンプルな箱です。

外観です。小型コンパクトです。金属ケースですが、横の部分は樹脂製です。金属突起がないので、クルマの内装は傷がつきにくくなっています。

冷却ファンの通風口です。小型ですが静かです。

USBコネクタとAC100Vコネクタです。AC100Vはシャッター構造になっています。

シガーソケットは缶ヒューズの場合が多いのですが、板ヒューズが使用されています。

基板です。左が昇圧回路、真ん中がAC100V生成回路、右下がUSB(5V出力)です。上側のサブ基板は制御回路だと思われます。

AC100Vコネクタの裏側です。

USB(5V出力)回路です。

上側は、AC100V生成部分に使う整流ダイオードです。ES5Dという物が使われています。200V、5A、Vf=0.95Vのようです。 下側は、DC12VからUSBに向かう回路のようです。単なる降圧回路にしては物々すぎます。詳細不明です。右側はCOS30R15、左側の8pinは不鮮明でよく分かりませんでした。

AC100V生成のFETには中国企業のJCS630CAが使用されています。Nch、VDS=200V、ID=9A、RDS=0.4Ω のようです。データシートを見比べてみるとIRF630と同じようです。

立てているFETと電線を接着固定しています。強引ですね。

昇圧用のFETには、Ruichipsという会社のRU60200Rという物が使用されています。Nch、60V、230A、2.5mΩのようです。

制御回路の子基板です。赤い基板に付いている14pinのICには刻印がありません。

FAIRCHILDのKA7500BというSMPSコントローラーが使用されています。

基板裏面です。AC分離がされています。AC回路の安全性は深く考えていないようです。



C エーモン 8626

シンプルな箱です。

箱の内部は、日本メーカーらしい感じです。

外観です。コンパクト薄型の樹脂ケースです。 分解不可能でしたので、内部は確認できませんでした。

シガーソケットの電線は、本体から抜ける構造です。

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