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No.2033 2017.12.14




カーオーディオのスピーカー出力をチェックしよう






□ 1.オーディオの音がおかしい?

片側のスピーカーの音が、何となく弱い。
片側の低音(もしくは高音)だけ聴きづらい。
もしかしたらそれはスピーカーやオーディオの不良かもしれません。
気のせいなのか、実際にそうなのかを判断するには、 定量的に音を測定するしかありません。



□ 2.音を確認する方法

音の測定にはFFTアナライザを使用します。
騒音計では、どの音階の音が出ているのか分かりません。

FFTアナライザについては、
No.4006 スマホ FFTアナライザの実力 2017 にて紹介しています。
スマホがあれば、無料でFFTアナライザが使用できます。


音の測定には、周波数一定、音圧一定の音声を流し続けます。
周波数一定、音圧一定の音を流し続ければ、左右で同じ音が常に出ているはずです。
非校正のFFTアナライザであろうが誤差の大きいFFTアナライザであろうが、
誤差があれば誤差があるなりに左右で同じ値が測定できるはずです。
表示が狂っている体重計に同じ重さの物を載せれば、狂ったなりの同じ値が出るのと同じです。



もし左右で同じ周波数の同じ強さの音が測定できない場合は、
スピーカー出力のバランスが悪いことになります。

ツィーター、ミッド(ミドル)レンジ、ウーファーを設置して音域を分けている場合は、
高域や中域、低域でそれぞれのスピーカーから出るべき音が出ていて、
出るべきでない音が出ていないことも確認します。
ネットワークの各設定(ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、アッテネータ)によって、
それぞれのスピーカーから出力される音の周波数や強さが変化します。
一般的にツィーターとミッドレンジの分配はパッシブネットワークを用い、
ウーファーとミッドレンジの分配はオーディオ内のネットワーク機能を使います。





※各領域の重複範囲は、一般的にクロスオーバーと呼ばれます。



スピーカーやネットワークは、LCRで構成される素子回路であるため、
周波数によって出力特性が異なります。
カーオーディオ用スピーカーの場合、基準はレジスタンス値で4Ωです。
交流特性については、周波数特性表としてdBで公表されている場合があります。
メーカーにより、仕様として公表するかどうかスタンスが異なるようです。


(C)パイオニア

図 パイオニア TS-F1730S 出力特性


(1)ウーファー
極端な例として2kHzの音が出ていれば、ネットワーク機能に問題があります。
一般的に2kHzは、ミッドレンジのみで再生するように設定します。
ウーファーユニットの最低周波数からローパスフィルタで設定した周波数(高域カットオフ周波数)
までの範囲で音が出なければ、ローパスフィルタの不良もしくはウーファーユニットの不良です。
まれにオーディオユニットのアンプ回路が不良で、低音が出ていないこともあります。

(2)ミッドレンジ
ネットワークの設定によって大きく変わりますが、
30Hzの低音が出ていればネットワーク(ハイパスフィルタ)の不良です。
12kHzの音が出ていればネットワーク(ローパスフィルタ)の不良です。

ミッドレンジとウーファー出力が重なる部分でミッドレンジの左右のバランスが悪ければ、
オーディオユニット内のネットワーク機能に問題があるということです。
ユニット内のネットワークはDSPのアクティブネットワークがほとんどですので、
単純な回路素子のバラツキ等で考えることができません。

ミッドレンジの中心領域を含めたすべての領域で左右のバランスが悪い場合は、
スピーカーのインピーダンスに差がある、もしくはオーディオユニットの出力バランスが悪い可能性があります。
スピーカーと接続する電線や端子部分に問題がある場合もあります。
スピーカーのバランスが悪い場合の切り分け方法は、左右を組み替えてみてバランスも組変われば
スピーカーが原因です。そのスピーカーは不良品かもしれません。

バランスが組み変わらなければオーディオ、ネットワーク、配線の問題です。
スピーカーが要因でなければ、ネットワークも同様に組み替えてみます。
オーディオユニットの出力バランスが悪い場合は、イコライザー機能などのON/OFFや、
バランス調整機能などを操作して、DSPが問題なのかアンプに問題があるのかを切り分けます。

オーディオユニットの出力は、オーディオの設定で左右のバランス調整ができます。
通常はLR +0の中心で左右均等に出力されます。もしどちらかに振って均等になる場合は、
プリアウトからアンプ回路までのバランスに狂いがあるか、
アンプ回路からスピーカー出力までの間でレジスタンス成分に不均等があるということです。

(3)ツィーター
ネットワークの設定によって大きく変わりますが、
500Hzの低音が出ていればネットワーク(ハイパスフィルタ)の不良です。
ミッドレンジとツィーター出力が重なる部分で左右のバランスが悪ければ、
パッシブネットワークのフィルタを構成する電気部品の特性値に大きなバラつきがあるということです。

ツィーターの中心領域を含めたすべての領域で左右のバランスが悪い場合は、
ツィーターやネットワークのインピーダンスに差がある、もしくはオーディオユニットの出力バランスが
取れていません。
オーディオとネットワーク間の配線やツィーターの配線で余った何メートルもの電線を小さな直径で
グルグル巻きにしておくと、それがコイルになってインピーダンスを高める原因になる場合があります。
電線のツイストも、捻る間隔が短いとインピーダンス上昇の原因となります。
電線はツイストさせず、+と−の電線が隣り合うようにテープ等で留めるのが最もよい配線です。
またツィーター用のネットワークの場合、高音の出力を弱めるためにアッテネーター機能が
内蔵されている場合があります。
-2dB、-4dBといった記載があるスイッチもしくはジャンパピンがそうです。
その設定が左右で異なると、音の大きさも異なってしまいます。

カーオーディオ用ツィーターの場合、基準はレジスタンス値で6Ωです。
基本的な切り分けは、ミッドレンジと同様に考えます。







□ 3.テスト用音源

音を定量的に測定するには、周波数や出力が一定である必要があります。
テスト用音源を作成しましたのでご自由にお使い下さい。


(1) 1kHz ステレオ 4分

ミッドレンジの出力確認用や負荷出力用に使用します。
テレビ放送等での音声信号の確認にも1kHzが用いられ、最も一般的な基本周波数です。

4分間の再生ファイルを各フォーマットで用意しました。
音楽用CDデータは、74分間、1kHzを再生し続けます。中身はCUEファイルとWAVファイルです。
音楽CDは、ImgBurn等で作成できます。WAVファイルのみ取り出して単独で再生できます。

 ・1kHz 4分 WAV PCM 16bit モノ 20.1MB
 ・1kHz 4分 WAV PCM 16bit ステレオ 40.2MB
 ・1kHz 4分 MP3 320kbps ステレオ 7.3MB
 ・1kHz 4分 WMA 320kbps ステレオ 3.9MB

 ・1kHz 74分 音楽用CDデータ (zip) 540MB



(2) ウーファー確認用 バスレンジ

クロスオーバー、ローパスフィルタ(LPF)、ハイパスフィルタ(中高域用)
ウーファー、ミッドレンジスピーカー、イコライザなどの確認に使用します。

周波数は、15、20、25、31.5、40、50、63、80、100、125、160、200、250Hzの13種類です。
モノラル出力、音圧はすべて同一です。各周波数、4分間の再生です。
音楽CDを作る場合は、PCM 16bitのWAVファイルを元にします。

※ウーファーユニットで低音を大音量で長時間再生すると、内蔵されているアンプが異常発熱し、
 壊れる場合があります。国内メーカーであれば長時間の定格出力の負荷試験で合格したものが
 製品化されているはずですが、海外製の場合は発煙発火等が発生する可能性があります。
 十分に注意してテストしてください。



各周波数のテストファイル(WAV、PCM 16bit、4min、20MB)
25Hz
31.5Hz
40Hz
50Hz
63Hz
80Hz
100Hz
125Hz
160Hz
200Hz
250Hz
-

一括ダウンロード
 PCM 16bit 44.1kHz wav (zip 142MB)
 MP3 250kbps (zip 21.1MB)



(3) イコライザー確認用 フルレンジ

クロスオーバー、ローパスフィルタ(LPF)、ハイパスフィルタ(HPF)、
ミッドレンジスピーカー、ツイーター、ウーファー、イコライザなどの確認に使用します。

周波数は、50、80、125、200、315、500、800、1.25k、
2k、3.15k、5k、8k、10k、12.5k、14kHzの15種類です。
モノラル出力、音圧はすべて同一です。各周波数、4分間の再生です。
音楽CDを作る場合は、PCM 16bitのWAVファイルを元にします。


各周波数のテストファイル(WAV、PCM 16bit、4min、20MB)
50Hz
80Hz
125Hz
200Hz
315Hz
500Hz
800Hz
1250Hz
2kHz
3.15kHz
5kHz
8kHz
10kHz
12.5kHz
14kHz
-

一括ダウンロード
 PCM 16bit 44.1kHz wav (zip 147MB)
 MP3 250kbps (zip 33.1MB)



(4) 超音波付近 確認用

人間には聞こえない領域で意味はありませんが、とりあえず作りました。
車載用オーディオにハイレゾはないと思いますが、ハイレゾ対応の場合は
正常に出力されるはずです。
厳密には22kHzはハイレゾではありませんが、ほとんどのオーディオは
20KHz付近でカットオフされていると思います。
MP3、WMAでは非対応な帯域のはずですので、WAVファイルのみです。
サンプリングが44.1kHzであると再現性が低いので、96kHzも用意しました。

 18kHz PCM 16bit (44.1kHz) PCM 32bit (44.1kHz) PCM 32bit (96kHz)

 20kHz PCM 16bit (44.1kHz) PCM 32bit (44.1kHz) PCM 32bit (96kHz)

 22kHz PCM 16bit (44.1kHz) PCM 32bit (44.1kHz) PCM 32bit (96kHz)






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