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No.4006 2017.12.2
2017.12.6 暗ノイズについて追記




スマホ FFTアナライザの実力 2017






□ 1.FFTアナライザとは?

詳しいことは、小野測器さんのサイトで 調べて下さい。
日本語で詳しく分かりやすく書かれています。

簡単に説明すると、FFTアナライザとは、それぞれの周波数の音が、
どれくらいの大きさなのかを測定する装置です。
例えばどんな音楽も、様々な周波数のsin(サイン)波の合成にしかすぎません。
欅坂48の楽曲も、歌声も、すべて単純なsin波の組み合わせです。
膨大な各周波数の音の強弱(音圧 dB)やタイミング(位相)の具合を素早く変化させることで、
様々な楽曲の様々な歌が音として成り立っています。
人間が聴くことができる周波数は、20〜20kHZまでと言われています。
20kHzを超える高い音は、一般的に「超音波」と呼ばれています。
普段耳にする超音波とはこの事であり、聞こえないような超高い音(波)という意味です。

ちなみにCDなどで記載されている44.1kHzなどの表記はサンプリング周波数です。
理論上記録できる音の周波数は1/2となるため、22.05kHzまで記録できることになります。
実際は波形としてずれや抜けなくサンプリングするには4〜5倍の周波数が必要ですので、
原音に忠実なのは11kHzくらいまででしょう。

ところで20kHzを超える周波数でも、音を感じ取ることができる人がいるようです。
そんな人のために20kHz以上の音を記録再生できるのが、ハイレゾオーディオです。
例えばサンプリング96kHzの場合、原音に忠実なのは24kHzくらいまでですので、
超音波の領域まで記録再生できることになります。




各周波数のサンプル
20Hz
30Hz
50Hz
100Hz
可聴域
10kHz
13kHz
15kHz
18kHz
20kHz
超音波

  ※スピーカーの性能によって、音が出ない場合があります。
  ※スピーカーから音が出ているかどうかは、FFTアナライザで確認できます。
  ※スマホのマイクの性能によって、音を拾えない場合があります。





□ 2.スマホアプリのFFTアナライザ

スマホアプリでFFTアナライザを探したところ、すでに色々ありました。
スマホは本当に恐ろしいと思います。
これでは小野測器さんが潰れてしまうんじゃないでしょうか?

試しに使って見たところソフトによって見やすさなどに差があるので、
比較紹介することにしました。
結論から言うと、オススメは Advanced Spectrum Analyzer Pro です。
処理速度が高いようで応答性がよく、ノイズフィルタの性能が非常に良いため、
正確な値を分かりやすく示します。


出力音源として、以下のWAVファイルを使用しました。
再生周波数付近のみが大きく表示されれば、正常に測定出来ていると言えます。
もちろん出力環境およびスマホのマイクは未校正です。

 PCM 32bit 1kHz
 PCM 32bit 4kHz
 PCM 32bit 1+4kHz 合成波



図 テスト方法






(1) Advanced Spectrum Analyzer Pro
適度にノイズがカットされていて、かつ正確に目的の値が表示されオススメです。

2017.11.30現在のバージョンでは以下の問題があります。
・キャプチャしたPNG画像が一部のグラフィックソフトで開けない。
・キャプチャ保存したファイルのフォルダのアクセス権限の問題で、
 USB接続先のパソコンから閲覧できない。(スマホによるのかもしれません)

1kHz:ピーク値990Hzを表示しています

4kHz:ピーク値4.0kHzを表示しています

1+4kHz:ピーク値990Hzと4.0kHzを表示しています






(2) Spectroid

波形の線が細く、ノイズも大きいため、かなり見にくい印象です。
測定は正確にできているようです。
下側の紫色の波形が何なのか不明ですが、縦軸はdBではなく経過時間のような気がします。

左:1Hz、中央4kHz、右:1k+4kHz






(3) サウンドモニター FFTWave for Android

ピーク時の波形が赤く残るのですが、測定前のわずかな音にも反応してしまいます。
とても惜しい機能だと思いました。
リアルタイムな波形は緑です。それぞれの周波数に対して山が確認できます。

左:1Hz、中央4kHz、右:1k+4kHz





(4) FrequenSee - スペクトラム アナライザ

ノイズが極力排除されて、とても見やすいです。
スペクトラム アナライザと記載されていますが、ソフト的なフーリエ変換を使用しているので
スペアナではありません。
このソフトは、上部に広告が出ます。
スクリーンショットを取ろうとすると広告をタッチしそうになるので、
少し残念に思いました。

1kHz

4kHz

1+4kHz






(5) Sound Analyzer Free

ワンタッチでレンジ(スケール)切換ができるのが便利です。
ピーク値の周波数とレベルが表示されるのですが、表示が安定せず、
チラついて読み取り困難なのが残念です。スクリーンショットは綺麗に取れます。
このソフトは、下部に広告が出ます。

左:1Hz、中央4kHz、右:1k+4kHz







□ 3.暗ノイズ

いくら静かにしても、FFTアナライザには一定の出力がされているはずです。
無響音室などの静かな部屋でも、出力をゼロにすることはできません。
小野測器製のハイスペックなFFTアナライザでもゼロにすることは無理です。
これを一般的には暗ノイズと呼びます。

要因は様々ありますが、例えば蛍光灯などの照明からもノイズ音は出ています。
床や地面からも音は出ています。すべて人には聞こえない、かすかな音です。
地面は様々な要因で常に揺れていて、壁や天井も揺れています。
音とは空気の振動ですので、空気がある限り空気の動きを止めることができません。
この空気も暗ノイズの要因です。

FFTアナライザで何かを測定するときは、まず暗ノイズを測定します。
次に対象の音を測定して、暗ノイズを考慮した上で判断などをします。



最初に暗ノイズを測定してから音を測定して、比較で評価する





□ 4.耳鳴りの原因?

夜や疲れているときにキーンと耳鳴りがする。
病院で診てもらっても異常は見つからない。
やがて耳鳴りがストレスになり、心労が溜まってしまう・・・。


こんな時、実は家電製品からノイズが出ているのかもしれません。
これらの電気製品には、クロックや高周波のスイッチングが広く使われています。
スマホ、パソコン、時計、LED照明、テレビ、ACアダプター・・・。
高周波ノイズを逃すセラミックコンデンサ等に不具合が出るとノイズが出やすくなります。
温度やエナメル樹脂の具合によってコイル鳴きなどの症状が出ます。
レギュレータIC、統合IC(ASIC)などのケース内部からキーンと音が鳴る場合もあります。
昼間の暖かい時よりも、夜の寒いときのほうが、ノイズは出やすい傾向があります。
(回路内温度と周囲温度の差が大きいほうがノイズは出やすい傾向があります)

そもそも論で言えば、ファンやモーターが使われてる製品の騒音を仕様規定して測定することはあります。
電磁波がどれくらいの電界強度で基板等から出ているかを測定するのも当たり前です。
しかし空気的な振動である高周波のノイズ音を製品開発で規定して測定することは、
オーディオ製品の出力系統以外に一般的にありません。


こんなとき低周波のノイズ音であれば、それを耳鳴りと捉える人はいないと思います。
例えばスピーカーから出る「ブーン」というハウリングのノイズ音を耳鳴りと捉える人はいないでしょう。
しかしかすかな音圧で人によっては聞こえない高周波のノイズだと、
それが耳鳴りなのかノイズ音なのか分かりにくい場合があります。

もし原因の分からない耳鳴りに悩んでいる場合は、
そのときに試しにスマホのFFTアナライザで耳元付近を測定してみるのも良いかもしれません。
高周波の音は指向性が高いため、耳元では聞こえても手元には届かない場合があるため、
測定箇所やマイクの方向はキチンとする必要があります。




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