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e2 studio の入門書は、以下のRENESAS公式サイトよりダウンロードできます。
本レポートよりも詳しく書かれています。
統合開発環境 e2 studio 2020-10 以上
ユーザーズマニュアル 入門ガイド
ルネサスマイクロコントローラ RA ファミリ
R20UT4891JJ0100
https://www.renesas.com/jp/ja/document/man/getting-started-guide-e2-studio-ra
実際にマイコン用のソフトを作成し、デバッグしてみます。
スタートメニューから、「Renesas Electronics e2 studio」のフォルダを開き、「e2 studio」を起動します。
起動画面が出るので、しばらく待ちます。
ワークスペースのフォルダ指定のダイアログが出ます。
「この選択をデフォルトとして使用し、今後この質問を表示しない(U)」にチェックを入れて、「起動(L)」をクリックします。
ツールチェイン登録のダイアログが出ます。
「登録」をクリックします。
「登録されました」のダイアログが出ます。
「OK」をクリックします。
起動画面に対応マイコンが追加されました。しばらく待ちます。
e2 studioが起動したら、「ファイル(F)」の「新規(N)」、「Renesas C/C++ Project」、「Renesas RA」を選択します。
↓
「 Renesas RA C/C++ Project 」を選択して、「次へ(N)」をクリックします。
プロジェクト名の命名画面が出ます。名前は何でもかまいません。今回は「 ra4w1_test1 」としました。「次へ(N)」をクリックします。
マイコンの選択画面が出ます。ここでは今回使用するルネサス純正のデバッグボード(EK-RA4W1)を選択することもできますが、あえてマイコンを直接選択してみます。Deviceの赤枠のボタンをクリックします。
Device Selection のダイアログ画面が出ます。「RA4」をクリックして「RA4W1」を開き、「RA4W1 - 56 Pin」の「R7FA4W1AD2CNG」を選択してOKボタンを押します。
Device に正しいマイコン型番が入りました。他の設定項目は初期値のままで良いので、「次へ(N)」をクリックします。FSPやコンパイラのバージョン、言語のC/C++の選択、デバッガーの指定があれば選択を変更します。
プロジェクトの種別選択画面です。初期値はExecutableになっているので、このまま「次へ(N)」をクリックします。
プロジェクトのテンプレート画面です。LEDカチカチ or 空のプロジェクトかの選択できます。今回は空のプロジェクトを作りたいので、「Bare Metal - Minimal」を選択して「次へ(N)」をクリックします。
Visual Studioのように空のプロジェクトが作成されました。
次にデバッガの設定をします。
このままプロジェクトをビルドしてみます。VisualStudioと同じように使えますが、VisualStudioのように自動でビルドしてくれませんので手動で行います。「プロジェクト(P)」 → 「すべてビルド(A)」を選択して実行します。空のプロジェクトですので、問題なく正常終了できるはずです。
正常にビルドできると、ウィンドウ右下にあるコンソール画面に、Build Finished. 0 errors, 0 warnings. と表示されます。
いよいよデバッガを使用してマイコンを動作させてみます。「実行(R)」 → 「デバッグの構成(B)...」を実行します。
デバッグ構成の画面が出ます。ツリービュー内にある、「Renesas GDB Hardware Debugging」を開き、「ra4w1_test1 Debug_Flat」を選択します。この名前は、プロジェクト名+「Debug_Flat」になっています。今回は、デバッグボード(EK-RA4W1)に搭載されている J-Link を使います。プロジェクト作成時にマイコンの選択画面のデバッガの選択で「J-Link ARM」が選択されていれば、初期状態のままで使えるようになっています。「デバッグ(D)」ボタンを押します。
もし新規でプロファイルを作成する場合は、Debugger タブの Debug hardware と Target Device を以下のように設定します。
準備画面が出るので、しばらく待ちます。
ルネサスの評価キットボードに搭載されているJ-Linkと初めて通信させようとすると、以下のようなダイアログが表示されます。搭載されているJ-Linkのファームウェアのバージョンが古いため、最新にしますか?というメッセージです。特に問題なければ「Yes」を選択します。
バージョンアップ画面が出るので、しばらく待ちます。
パースペクティブ切り替えの確認というダイアログが出ます。
要はコーディングの画面から、デバッグ時の作業用の画面に切り替えても良いですか?という質問です。
「切り替え(S)」をクリックします。
デバッガが正常にマイコンと接続できると、ソースコードが以下のように表示されます。
SystemInit()関数の呼び出しが処理の起点になります。その後main()関数が呼び出されます。
ではプログラムを実行してみます。
ウィンドウの左上にある、緑色の三角のボタンを押します。
プログラムが実行されると、ウィンドウ左下に「実行中」と表示されます。
10秒ぐらい放っておいてから、プログラムを一時停止してみましょう。ウィンドウの左上にある、一時停止ボタンを押します。
FSP_HARDWARE_REGISTER_WAIT()関数のところで止まっています。マイコンのクロック源について、水晶発振子などの外部クロックをクロック源とする場合も、最初はマイコン内蔵クロック(高速オンチップオシレータ)で動作します。その後、内部クロックから外部クロックに切り替えるのですが、そこで処理が止まっています。
原因は単純で、デバッグボード(EK-RA4W1)に水晶発振子などのオシレータが搭載されていないからです。
マイコンのクロック源の設定を確認してみます。まずはデバック処理を終了します。
ウィンドウの左上にある、赤色の四角ボタンを押します。
右上の「FSP Configuration」のタブを選択して、左側にあるプロジェクトビューの「Configuration.xml」を選択し、真ん中の下側にある「Clocks」タブを選択します。
Clocks Configuration の画面が出ます。マイコンのクロック源にPLLが選択されています。PLLのクロック源は、左上のXTALです。XTALは、外部クロックを指しています。
「Clock Src:PLL」 の部分をクリックして、「Clock Src:HOCO」を選択します。
HOCOとは、高速オンチップオシレータのことです。マイコン内蔵のクロック源です。
HOCOのクロック速度も選べます。今回は、低電圧駆動時の仕様最高値の48MHzを選択してみます。
設定変更後は、「Generate Project Content」をクリックします。設定内容に沿うようにソースコードが上書き生成されます。
再び「すべてビルド」を実行し、デバッグ接続をします。デバックの構成からデバッグ接続を実施済みの場合、「デバッグ履歴(H)」から直接選択して、デバッグ接続ができます。プログラムを実行して、少し待ってから一時停止をしてみましょう。
今度は、main()関数の後のwhile(1) で止まりました。main()関数内には無限ループ処理がないため、main()関数の処理を終えて、ここのwhile(1) でクルクル回っています。
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