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NASのデメリットとしては、
・定期的なボタン電池の交換が必要な場合がある
(BUFFALOなどの一部のNASは、ボタン電池が使用されていません)
・FANが壊れやすい
(安物が使われていることが多い)
・フレーム剛性が低いので、共振等でHDDが壊れやすい
などがあります。
今回は、Synology DiskStation DS216J について分解し、ファンと電池交換をしてみます。
最初に背面の2か所のネジを外します。
樹脂カバーをスライドさせて外します。
蓋は凸凹構造になっており、一方向にしかスライドできません。
強引な力を入れると割れてしまいます。
ここまではHDDの取り付けで誰しも行っていることです。
HDDをマウントする金属フレームを外します。
ネジを外して、上に引っ張れば外れます。
外したフレームです。中継基板を見ると、実装されていない電解コンとセラコンの空きパターンがあります。ACアダプタには大きい電解コンが付いているのでこれらを外しても安定すると思いますが、ACアダプタが劣化すると不安定になったりHDDが壊れる原因になるかと思います。ですのでNASという安定性が求められる製品には、実装したほうが良いでしょう。
12Vか5Vの電源用だと思いますので、耐圧16Vで一般的なパスコンとして使用する容量で良いと思います。
HDD側にはEMIパッドと電解コンの空きパターンがあります。EMIパッドは、GNDとHDDの金属フレームを接地させて同電位とさせることで、GND容量を増やして、同電位とすることでノイズを抑制する役割があります。通常はHDDを留めるネジで十分なのですが、防振ゴムを介してネジ留めしている場合はEMIパッドが有効となります。
下側の樹脂ケースを外すために、ネジを外します。
メイン基板を外すときは、電源スイッチ側に配線があるので注意が必要です。引っ張らないように慎重に持ち上げて、コネクタを外します。
電源スイッチはタクトスイッチが使用されています。
冷却ファンは、ネジではなく、ゴムで留める構造になっています。
原価低減を目論んだのでしょうが、ゴムの型枠や組み立てコスト等で返ってコストアップになっている気がします。
留めているゴムです。単品ではどこで売っているのでしょうか???
ゴムを外すと、ファンカバーの突起が見えます。
ファンカバーの突起でファンを押さえつける構造です。
突起を折らないように気を付けましょう。
冷却ファンは、FD129225LL-Nという9cmファンが使用されています。Synology の定番ファンです。DC12Vの3pinで、0.12A程度の9cmであれば何でも良いでしょう。
ファンカバーの突起とファンの穴の間にも防振ゴムのような物が仕込まれています。
防振ゴムのような物は、こんな構造です。単品では入手困難でしょう。
外したメイン基板です。これで電池交換が可能です。
ボタン電池は、CR1220という小型の物が使用されています。
メイン基板単品の状態です。
よく見ると、電解コンの空きパターンが見られます。
メインメモリには、SKhynix H5TC4G63CFR というDDR3 SDRAM 512MB が使用されています。
なんとPICマイコンを発見。PIC16F1829 という8bitマイコンです。
配線を追っている訳ではないので推測ですが、
位置的に電源SWのチャタリング対策やD型フリップフロップ化、LEDの点灯制御等に使用していると思われます。
金属フレーム側です。
LANトランシーバに、88E1514-NNP2というマーベルの物が使用されています。
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