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No.5006 2017.3.20




富士通 LIFEBOOK A540 内蔵無線LAN+Bluetoothコンボカードを増設してみる







LIFEBOOK A540 の無線LAN増設について取り上げてみます。
一般的なノートパソコンでも、同じように扱えます。




□1.ノートパソコン用の無線LAN増設カード

2017年現在、ノートパソコン用の無線LAN増設カードの種類としては、
以下の4つがあります。

 ・mini PCI
 ・mini PCI Express フルサイズ
 ・mini PCI Express ハーフサイズ
 ・M.2

mini PCIは、Pentium3の頃に存在した規格でPCIバスと互換があります。
mini PCI Express フルサイズは、PCI Express x1と互換があり、USB2.0の配線も平行して引かれています。
mini PCI Express ハーフサイズは、フルサイズを小型化した規格で信号は同一です。
M.2は、PCI Express x4と互換があり、USB3.0の配線も平行して引かれています。

A540では、mini PCI Express ハーフサイズの無線LANが使用できます。
Core2世代や初期のCore i世代のノートパソコンでは、どのメーカーでも一般的に用mini PCI Express ハーフサイズが用いられています。



□2.無線LAN+Bluetoothコンボカード

デスクトップ向けには、古くにはCHANPONボードなどの複合ボードがあり、今でもe-SATAやUSB3.0/3.1などの複数の機能を持つ複合ボードが販売されています。 一般的な複合ボードは、PCI Expressスイッチ(ブリッジ)チップを介して複数のコントローラーを動作させています。ただし1つのコントローラーで複数の機能を持つ統合チップの場合は、スイッチチップを介さずに直接接続されています。

今回用いる無線LAN+Bluetoothコンボカードは、これらとは異なり配線が特殊です。 無線LANは、例外なくPCI Expressバスで接続されています。これはBluetoothが搭載されていない無線LAN単独のボードと同じです。
Bluetoothコントローラーについては、一般的にUSBバスで接続されます。





ここで問題があります。一部のメーカー製ノートパソコンでは PCI Expressバスの回路のみが引かれていて、USBバスの回路が省略されている場合があります。メーカーの設計思想として、わざわざ遅いUSB2.0を用いる内蔵デバイスなどあり得ない、Bluetoothなどを複合化したい場合は一般的な複合ボードのようにPCI Expressバスで実現させれば良い、ということでしょうか。

LIFEBOOK A540では、USBバスが省略されることなくmini PCI Expressの規格を満足したコネクタが搭載されています。しかし LIFEBOOK A561などではUSBバスの回路が省略されており、無線LANは動作できますが Bluetoothはデバイスとして認識できません。

対応する無線LAN+Bluetoothコンボカードですが、基本的に機種専用というのはありません。
一般的なデスクトップ用のPCI Express x1 ボードのように、機種に関係なく汎用品として用いることができます。 ただしLenovoやIBMなどの一部のメーカー製ノートパソコンでは、PCI Expressバスに接続されるコントローラーに必ず割り当てられているVenderID(メーカーID)やDeviceID(製品ID)、いわゆるハードウェアID をパソコン起動時にBIOSがチェックをして、照合に合わなければエラーコードを出す設計にしていることもあるようです。



□3.LIFEBOOK A540への搭載方法

この機種は、電源ボタンやLEDの化粧カバーを外すとコネクタが見える設計になっています。キーボードまで外さなくて済むため、比較的にボードが増設しやすい設計であると言えます。
化粧カバーを外す手順は、以下の通りです。

(1) ヒンジ部分の後部のネジをそれぞれ取り外します。
すると樹脂カバーも外れるので、なくさないように保管します。

(2) キーボード上部のカバーを外します。
以下の12ヶ所の樹脂爪構造によって固定されています。


(3) 液晶LCDを120度以上開いてからヒンジ部分を上に引っ張ると、割と簡単に樹脂カバーが外れます。
残りの部分も上に押し上げるように外して行きます。
カバーの裏にフレキがあるので、カバーを引っ張らないように注意します。

(4) カバーのフレキを外します。
ロックレバーを奥にスライドさせて、フレキのロックを解除します。
フレキを抜き、カバーを外します。

(5) mini PCI Expressコネクタは、左側のヒンジ付近にあります。






□4.無線LANが有効にならない?

無線LANボードを増設しても、ステータスが無効と表示されて機能が有効にならない場合があります。 デバイスマネージャーで確認すると正常に認識して動作しているため、無線LANボードの不良を疑う人も少なくないでしょう。
一般的にノートパソコンでは、無線LANの動作を以下の方法でOFFにすることができます。

 (1) BIOSの設定項目で Disabled にする。
 (2) Windows上でキーボードの Fn + 無線LANマークを押してON/OFFを切り替える。
 (3) 物理的なON/OFFスイッチがパソコン本体の側面や前面に付いている。

(1)は、無線LANそのものを無効にする意味合いがほとんどで、Disabledにするとデバイスマネージャでも表示されなくなることが多いです。
(2)は、無線LANの無線出力のみをOFFにする機能です。スマホの機内モードと同じです。
(3)も(2)と同じですがソフトウェアではなく、ハードウェアで実現しています。

LIFEBOOK A540の場合、無線LAN内蔵モデルでない場合は物理的なON/OFFスイッチが省略されています。しかしマザーボード側にはON/OFFスイッチが付いており、初期状態でOFF側になっていることがあります。ON側になっていても、接触不良でOFFと認識される場合もあるようです。接触不良の場合は、ON/OFFのスワイプ動作で治ることがほとんどです。


 


この物理スイッチが見えるようにするには、ノートパソコンをバラバラに分解する必要があります。
手順は、
  No.5002 富士通 LIFEBOOK A540 Core2 Duo にCPU交換
の記事を参照してください。


他のメーカーのノートパソコンでも、無線LAN未搭載モデルでこのような設計になっていることがあるようです。
(1)や(2)であれば簡単に対策できますが、(3)の場合はマザーボードにスイッチや周辺回路の部品が搭載されておらず、はんだ付けしなければいけないケースもあるようです。

LIFEBOOK A540では該当しませんが (2)が原因でOFFになっている場合、キーボードの無線LANマークの印字が省略されている場合があります。もちろん無線LAN搭載モデルでは印刷されているので、それを参考にしながら Fn + 無線LANマークがある位置のキーを押すとON/OFFができます。



関連記事1:No.5001 富士通 LIFEBOOK A540 8GBにメモリ交換
関連記事2:No.5002 富士通 LIFEBOOK A540 Core2 Duo にCPU交換
関連記事3:No.5003 富士通 LIFEBOOK A540 CPU交換時のCPU IDエラーの対処
関連記事4:No.5005 富士通 LIFEBOOK A540 電源不良の修理、電池交換処

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