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No.5042 2024.2.6
intel i5 14500の取付方法、実力を検証してみる
□1.最初に
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この記事ではマザーボードの交換を行います。
マザーボードの交換をするとWindows10または11のライセンス認証が無効になってしまいます。
Windows7から10または11にアップグレードしている場合、Windows7のパッケージに記載されているプロダクトキーを入力してもライセンスキーが無効となってしまい認証できません。
Windows10からは、デジタルライセンスという仕組みでライセンス認証が行われているため、1度使用したプロダクトキーは再び使用することができません。
マザーボードを交換したPCでWindowsを使い続けるには、
@ Microsoftアカウントでログインする。
A MicrosoftアカウントにWindowsが結びついていることを確認する。
B マザーボードを交換する。
C ローカルアカウントに切り替わっている場合は、再びMicrosoftアカウントでログインする。
D ライセンス認証がされていることを確認する。
の手順が必要です。
なお、Officeのライセンス認証も解除されてしまいますが、 Microsoftアカウントに結び付けることができないため、バージョンによっては買い直す必要があります。
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□2.CPUや冷却クーラー
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intel i5 14500 実売価格40,000円 の外箱です。
CPUが半分だけ見えています。
外箱から取り出した状態です。
冊子の裏にはシールが添付されています。うっかり捨てないように気を付けましょう。
CPUはこんな感じで透明ケースに入っています。
冷却ファンです。intelのロゴが見えます。
冷却ファンの背面はこんな感じです。
冷却ファンの外観です。ずいぶんと高級感があります。
intelの純正ファンは高音の唸り音がうるさいので、社外品の冷却ファンを使用します。
アイネックス(AINEX) LGA1700用 静音CPUクーラー CC-09 実売価格2,100円 の外箱です。
アイネックスのこのシリーズのファンは、安いのに静かで定評があります。寿命は価格なりで3年持てば良いほうでしょう。
箱を空けた状態です。きちんとクッションが入っています。
冷却ファンの外観です。CPUグリスが添付されています。
冷却ファンの背面です。きちんとバックプレートが添付されています。バックプレートは樹脂製です。
後述しますが、LGA1700ではCPUの反りが問題になっていますので、反り防止のために金属製のバックプレートを使用します。
アイネックス LGA1700用 CPUクーラーバックプレート BS-1700 実売価格1,000円 を使用します。
左が金属製のBS-1700、右が樹脂製のCC-09添付のバックプレートです。
LGA1700ではCPUの反りが問題になっていますので、CPUの固定に専用のプレートを使用するのが一般的のようです。
【SHIMI-LAB】 親和産業(Shinwa Sangyo) Intel LGA1700用CPUの反り防止フレーム SMZ-CPUF-1700 実売価格1,400円 を使用します。PC自作の小物で迷ったらアイネックスが定番ですが、CPUの固定プレートはラインナップに無いようです。
金属製ですが、CNCを使用したような高精度の加工です。マザーボードに付いている標準金具を外すトルクスレンチも付いています。
intel i5 14500です。SRN3Tと刻印されています。
CPU背面です。
光の当て方を変えると、変な模様が出てきます。
ゼルダのように、何かの謎解きに使うのでしょうか?
よく見るとパッド同士が配線されていて、上にレジストが載っているようです。
サブストレート基板のコスト削減でしょうか?層数を減らせばコスト削減になりますが、反りも発生しやすくなりますね。
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□3.14世代 LGA1700対応マザーボード
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GIGABYTE Z790 D DDR4 実売価格28,000〜30,000円 を使用します。
このマザーボードを選んだ理由は、グラボで2ポート塞がったときに、PCI-Expressが4ポート使用できる点です。x1が2ポート、x16コネクタのx4が2ポート使用できます。最近のマザーボードだとATXでも良くて3ポート、酷いのだと2ポートしか空きができない物もあります。
PCI-Expressが沢山使えますが、NVMeスロットも3つあります。理想なレイアウトにするために基板の層数を増やしたのか、基板に剛性感が感じられます。
NVMeは通常、ヒートシンクが付いている写真の一番右側のスロットを使用します。
SATAコネクタも6ポート付いています。最近はNVMeが普及したためか、SATAコネクタが4ポートしか付いていない物も多くなっています。
このマザーボードは、LEDに関する機能が無駄に多いのですが、基本的な機能もキチンと入っています。ケースのPOWER LEDは2pinと3pinタイプがあるのですが、どちらも使えるようになっています。2pinはコネクタ左上のPLED、3pinはコネクタ右下のPWR LEDを使用します。
CPUファンのコネクタはメモリソケットの近くにあります。ファンは電源が揺らぐノイズ源ですので、ノイズの影響が心配です。メモリよりもCPUのほうがノイズの影響が大きいので、CPUソケットから離したのかもしれません。
キチンとCOMポートのコネクタもあります。今どきはUSB-RS-232C変換コネクタを使うのが主流だと思いますが、こういう痒いところに手が届く配慮は素晴らしいと思います。
背面です。バックプレートと一体型になっています。PS2コネクタが1つ付いています。2つ付いていれば文句なしだったので、少し残念です。
ディスプレイ出力はHDMIのみですが、グラボを使うのであれば不要なコネクタですので、こういう合理性は評価できます。
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□4.CPUの取り付け
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ソケットカバーを外します。ソケットのピンが曲がったらおしまいですので慎重に外します。樹脂カバー側の爪で引っ掛かっています。
爪で引っ掛かっているレバーを横にずらしてロックを外し、レバーを上げてからサポート金具を上に持ち上げます。
CPUをそっと置きます。向きがあるので、注意しましょう。
ここからが、LGA1700特有の作業になります。サポート金具4ヶ所のトルクスネジを外し、サポート金具を外します。反り防止フレームに添付されていた、トルクスレンチを使用します。かなり緩いトルクで締まっていると思います。
サポート金具を外した状態です。反り防止フレームをそっと填めます。
外したトルクスねじで反り防止フレームを締め付けます。
締め付けトルクは、締まっていた時と同程度に緩めにします。
普通のインチネジやミリネジを締め付けるようなトルクだと、基板が割れてしまいます。
トルクスレンチの長い部分を使い、長い部分を指の先で摘まんで軽く回し、回らなくなったらOKです。柄の先のL字部分を掴んで回すと、過剰なトルクが掛かって基板やCPUが壊れてしまいます。
背面に冷却ファンのバックプレートをはめ込みます。
マザーボード背面です。
CPU裏面に取り付けます。
取り付けた状態です。はめ込んだだけですので、ひっくり返したときに落ちてしまいます。バックプレートを手で支えながら、慎重にひっくり返します。
CPUグリスは、ARCTIC MX-4 実売価格1,000円 を使用します。Amazonランキング1位の定番グリスです。熱伝導率が高いとCPUからヒートシンクへ熱が逃れやすくなり、結果的にファンが回りにくくなり静音になるという算段です。
グリスはヒートシンクとCPUの両方に薄く塗ります。
銅の錆防止シールを剥がします。英語で使う前に外せと書いてありますが、日本で売るなら日本語で書くべきでしょう。
グリスは『薄く塗る』、初代celeronから続く太古の時代からの基本です。厚く塗ると熱伝導が悪くなります。刷毛で塗る人もいますが、指で素手で塗るのがうまく塗る基本です。
ヒートシンクを取り付けます。4ヶ所のネジを少しずつ締めながら、回らなくなるまで締めます。一度に1ヶ所ごと締め付けてしまうと、CPUや基板に局所的な応力が掛かってしまうので厳禁です。ばねの力でヒートシンクを押さえつける構造ですので、このネジも強く締め付けないようにします。
ヒートシンクを取り付けた状態です。
電解コンに当たりそうな部分がありましたが、1〜2mmほどの隙間が確保されていてギリギリ大丈夫でした。
最後にCPUファンのコネクタを取り付けて、完了です。
この状態でPCケースに取り付けます。
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□5.i5-14500 の実力
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CPU-Zでスペックを確認してみます。カタログ通りです。
ベンチマーク結果です。i5 9400Fとの比較です。古いグラフィック処理やゲームソフトほど効果が高いことが分かります。
Unreal Engine 4や DirectX 11以降のゲームは、似たような傾向でCPUの性能を上げてもあまり効果がないようです。
3DMark2001SEの143527という値はすごいですね。FPS表示でもほとんど999と出ていました。
定番CINEBENCH 2004 1.0 の比較結果です。
ベンチマークや、一部の特別な処理では大幅な効果が期待できます。
ゲームをメインで考えているのであれば、CPUを買い替えるよりグラボにお金を掛けたほうが良さそうです。
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