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No.5040 2023.12.31
2024.2.6 追記
2024.3.3 追記
2024.6.23 追記




ヌメヌメ動く動画やアニメ Fluid Motion Video 再入門 2024








□1.Fluid Motion Videoとは

Fluid Motion Videoとは、動画を滑らかに再生する技術です。一時期のAMD製グラフィックチップに搭載されていました。 アニメ専用だと思われていますが、アニメだと効果が分かりやすいので勘違いされているだけです。 普通の動画も滑らかになり、ドラマや映画も滑らかになります。 DVDなどのNTSCベースの動画は 29.97fpsですが、フレーム間で疑似的にフレームを生成して補完することで、60fpsや120fps等にする技術です。

RX 7800 XT等で実装された 3Dゲームを対象としたFluid Motion Frames とは技術や用途が異なりますが、どちらも「Fluid Motion」と呼ばれるので注意が必要です。



□2.必要な物

【方法1】 Fluid Motion Video専用のボードを用意する

 滑らかにするために、ハードウェアで処理するため専用のチップが必要です。
 おススメは補助電源なしで動作する低消費電力のRadeon RX550 で、かつ1スロットで使用可能な物です。
 現行販売品では、
 
  玄人志向 RD-RX550-E4GB/LP 実売価格 12,800円程度



  BIOSTAR VA5505RG41 ヤフオク価格 13,000円程度


 あたりがおススメです。
 バルクで販売されている、富士通やDELLのRadeon RX550 グラフィックボードも入手可能であればおススメです。
 あくまでも動画を滑らかにするための処理専用で使用するため、HDMI、DisplayPort、DVIといった映像出力端子は使用しません。
 ※もちろん通常のグラフィックボードとしての使い方もできます。

 ディスプレイに出力させたりゲームで3D処理する通常のディスプレイとしての使用には、
 nvida Geforce RTX 4000シリーズもしくは
 Fluid Motion Video非対応の RADEON RX 7000シリーズ等の最新の物を使用します。







【方法2】Fluid Motion Video対応のCPUが搭載されたノートPC、ミニPCを使う

一部のRyzenは、Fluid Motion Videoに対応しています。内蔵グラフィックがVEGAであれば対応しています。 例えば Ryzen 5 5500U ですが、きちんと動作しました。
手のひらサイズのミニPCを購入して、動画再生専用機として使用するのがおススメです。似たようなミニPCで、intel n95 n100 と記載されたものが20,000円くらいで買えますが、こちらはFluid Motion Video非対応ですので注意してください。

  AskHand ミニPC 白ケース AMD Ryzen5 5500U 16GB RAM 512GB SSD Win 11  実売価格 35,000円程度
  AskHand ミニPC 黒ケース AMD Ryzen5 5600H 16GB RAM 512GB SSD Win 11  実売価格 35,000円程度
  Beelink ミニPC AMD Ryzen5 5560U 16GB RAM 500GB SSD Win 11  実売価格 45,000円程度
  Beelink ミニPC AMD Ryzen5 5560U 8GB RAM 500GB SSD Win 11  実売価格 38,000円程度
  SkyBarium ミニPC AMD Ryzen7 5700U 16GB RAM 512GB SSD Win 11  実売価格 40,000円程度








□3.必要なソフト

【どちらのドライバーが最適なのか?】

グラフィックドライバーには、
3Dゲームに最適化された「AMD Software: Adrenalin Edition」と、
3DCADや業務用途で安定化が優先された「AMD Software: PRO Edition」の
2種類があります。
Adrenalin Editionの場合、最新バージョンでFluid Motion Videoを有効にして再生中にブルースクリーンや再生ソフトが落ちる不具合を確認しています。
PRO Edition もしくは古いバージョンのドライバがおススメです。





【Fluid Motion Video 有効化、詳細設定ツール】

初期状態では、AMDのグラフィックドライバにてFluid Motion Videoの機能が無効になっています。有効化するツールとして Bluesky Frame Rate Converter を使用します。Fluid Motion Videoの詳細設定もできます。
公式サイトの一番下にあるzipをダウンロードしてインストールします。


Bluesky Frame Rate Converter 公式サイト
https://bluesky-soft.com/BlueskyFRC.html



ソフトはインストールしただけでは使用できません。

Windows10の場合は、
.NET Framework 4.8のランタイム
Visual C++ ランタイム Visual Studio 2015、2017、2019、および 2022

Windows11の場合は、
Visual C++ ランタイム Visual Studio 2015、2017、2019、および 2022

をインストールする必要があります。


Bluesky Frame Rate Converterを起動したら、最初に「その他」タブのDirectShowフィルタにある「登録」ボタンをクリックします。Visual C++ ランタイムがインストールされていないと、ここでエラーが出ます。




「設定」タブの、「デバイス」でRX550等の対応GPUを選択します。
「AMD Fluid Motion Video」を有効にする、にチェックを入れます。
あとは好みで品質やレート変換を設定します。
出力は144pまで設定できますが、ヌルヌルしすぎて気持ち悪いので60pがおススメです。
なお、対応初期の古いGPUだとFluid Motion Videoの一部機能しか使用できません。







【AMD Software でのFluid Motion Video 有効化】

Bluesky Frame Rate Converter でFluid Motion Videoを有効化すると、AMDの公式ドライバのソフト上でFluid Motion Videoの設定項目が表示されるようになります。この設定をオンにします。 「オーディオおよびビデオ」タブの下のほうにあります。
※チップやドライバのバージョンによって表示されない場合もあります。その場合は無視して次に進みます。








【動画の視聴ソフト、ビューワ】

Bluesky Frame Rate Converter に対応するビデオソフトは色々あります。残念ながらWindows Media Playerは対応していません。

おススメは、

MPC-HC
MPC-HC clsid2版
MPC-BE

です。詳細は、Wikipediaの情報を閲覧してください。 ソフトをインストールしたら、「再生」-「オプション」の「外部フィルタ」にある「フィルタを追加...」ボタンを押して、「Bluesky Frame Rate Converter」を選択してOKボタンを押します。Bluesky Frame Rate ConverterにてDirectShowフィルタの登録ができていないと、フィルタの一覧に「Bluesky Frame Rate Converter」が表示されません。





正しく処理できれば、外部フィルタの一覧に「Bluesky Frame Rate Converter」が追加され、「Fluid Motion Video」が有効になります。
ただし、フィルタの初期状態について「メリット値を設定」が選択されている場合があります。その場合は「優先する」に選択を変更してからOKボタンを押して閉じます。




実際に動画を再生して、ヌルヌルなめらかになっていることを確認します。




【視聴中(再生中)にフリーズ、強制終了するときの対処方法】 2024.6.23 追記

再生中に突然Windowsがフリーズしてリセットしたり、AMDバグレポートツールが起動してデバイスドライバーを見ると無効になっていることがあります。

色々と検証した結果、原因の推測と正しいかもしれない対処方法が分かりましたので載せておきます。
特定のバージョンによる不具合は今回除外します。古いバージョンにするか最新のバージョンにしてみてください。

バージョンを変えても不具合が起きる場合は、以下の原因の可能性が高いです。
グラフィックチップにおいて3D処理で発熱する部分と、 Fluid Motion Videoの処理で発熱する部分が異なるようです。温度センサでファンコントールをするのですが、センサの位置が3D処理側にあるためチップが冷たい状態でFluid Motion Videoを使用して急激に発熱するような処理になってしまうと落ちるようです。

対処方法としては、

@「AMD Software」を起動して「パフォーマンス」の「チューニング」タブを開く。
A「チューニングコントロール」の「手動チューニング」を有効にする。
B「ファン チューニング」を有効にする。
C「ゼロRPM」を無効にする。

にします。

初期状態では温度が一定以下のときにファンが停止する設定になっています。
常に一定以上のファンを回しておくことで、発熱によるクラッシュを避けることができます。







関連レポート

>> No.5044 ミニPC Ryzen 5500Uの実力を検証してみる


>> No.5045 AMD Software: Adrenalin Edition がアンインストールできない不具合を解消する


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