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No.5022 2021.4.9




ダイソーの500円 Bluetooth マウス を買ってみた







100円ショップのダイソーで、Bluetooth マウスが売られていました。
価格は、なんと500円です。
2021年4月現在のAmazonでのマウスの価格は、有線USBマウス 600円〜、ワイヤレスマウス1400円〜、Bluetoothマウス 2000円〜 となっています。Bluetoothで500円は、まさに価格破壊です。
紛らわしい製品名にBlueLEDマウスがありますが、本品は正真正銘のBluetoothです。
試しに1個購入してみました。

結論を言うと、問題なく正常に動作します。500円という価格に見合った理由も所々に見られますが、十分に買いです。




□1.マウスの外観

ホームセンターで売られているような、普通のデザインのパッケージです。写真では外していますが、実際にはPET樹脂の透明カバーが付いています。




外観です。灰色(グレー)の表面は、上級グレードのマウスで使用されることが多いラバー素材です。経年変化でベトベトするやつだと思われます。マウスのクリック感は、指で押すときにわずかに重く感じ、クリック音はかなり大きめです。ホイールの動作は、回転は程良く軽く抵抗感もあり、ほぼ無音で静かです。クリック感はボタンと同じでカチカチ音が大きめです。




側面です。手にしっくりくるカーブ形状のデザインです。




背面です。技適のラベル以外、メーカーや型番等の表示が一切ありません。
大創産業の社名等の刻印等を入れなかったのは正解でしょう。




電源スイッチとセンサレンズ部分です。
小さいスイッチですが、操作しにくいといったことはありません。 センサの感度も良好で、マウスをスライドさせた通りにマウスカーソルが反応します。




電池蓋を開けた状態です。一か所の爪で留まっています。




電池をセットした状態です。単三電池1本を使用します。電池を入れる時は、キツくもなく、緩くもなく普通にセットできます。キチンと設計されているようです。




センサ部は赤色LEDが使用されています。格安中華マウスに多い、LEDが明るすぎるといったことはありません。むしろ暗い部類であり、暗い場所で使用していても気になりません。センサ感度は、上記で述べた通りで良好です。





マウスボタンをクリックしたりすると、ホイールの奥のLEDが青く光ります。この光もかなり暗いので、眩しくて気になるといったことはありません。500円のマウスにしては凝った作りです。







□2.Windowsでペアリング

タスクバー右下にあるBluetooth の青いアイコンをクリックします。
ウィンドウが開くので、「Bluetooth またはその他のデバイスを追加する」をクリックします。




デバイスを追加する、のメニューが出ます。
「Bluetooth」をクリックします。




「デバイスの電源が入っていて、検出可能になっていることを確かめてください。」と表示されます。
マウスの電源スイッチをONにして、マウスの左ボタン、右ボタン、ホイールスイッチの3つを3秒くらい押したままにして離します。




「Bluetooth Mouse」が検出されるので、これをクリックします。




「接続試行中」と表示されるので、しばらく待ちます。




ペアリングが完了すると「デバイスの準備が整いました!」と表示されるので、完了ボタンをクリックします。この時点でBluetooth マウスは正常に動作しているはずです。






□3.マウスの内部



ネジを1ヶ所外せば分解できます。




ネジの反対側は、2か所の爪で留まっています。




基板部分です。電池と基板を繋ぐ箇所にコネクタが使用されています。
電線コネクタは、意外とコストの高い部品です。 安い製品だとコスト削減でコネクタを使用せず、電線を基板にはんだ付けすることが多いのですが、 一流メーカーの高価格帯品のようにキチンとコネクタが使用されています。

しかし、1ヶ所残念なところを発見しました。電池のマイナス側に赤い電線、プラス側に黒い電線が使用されています。動作には関係ありませんが、気になってしまう部分です。




基板単体です。




基板背面です。




残念なところ、2ヶ所目を発見しました。電源スイッチにはんだが付いていません。写真左側の2ピンがコネクタの黒(+)と接続していて、スイッチONで真ん中の2ピンと導通するスイッチのようです。真ん中の2ピンには、まったくはんだが付いていません。B面の片側のピンにはんだが付いているようにも見えますが、残念な部分です。



電源が入らなくなった場合、この部分を再はんだすれば動くかもしれません。




センサ部分にはKA8ULというICが使用されています。深セン市富満電子有限公司(SHENZHEN FUMAN ELECTRONICS CO., LTD.) という会社のチップのようです。詳細不明ですが、ADNS-2620等の互換ソースのようです。ちなみに技適取得時には、KA8という末尾のULがないチップが使用されています。

マウス用光学センサ KA8 仕様書




Bluetoothの制御には、YC1099というチップが使用されています。Yichip Electronics(http://yichip.com)という、これもまた深センの会社のようです。残念ながら該当品番の仕様書を手に入れることはできませんでした。Bluetoothとしての動作はペアリングもスムーズに行えて普通ですので、安くて良いというダイソー品質を実現させる部品単価なのでしょう。




センサICとBluetooth ICの間にあるこれは、128kバイトのEEPROMのようです。Bluetooth通信でOS側にマウスデバイスとして認識してもらうための情報が格納されているのだと思われます。ATMELではなくATHYCとあるので、セカンドソース品かもしれません。

ATMEL EEPROM 24C128 仕様書




ちなみに、この空き部分。


技適取得時には、ボタンスイッチが付いていたようです。ホイールの下に、ボタンを付けようとしてたのかもしれません。無線には影響ない部分ですが、気になる変更ですね。







□4.マウスの素性を調査する

マウスのデバイス インスタンスです。26100E3DCC3A がマウスの型番等を指すのだと思うのですが、調べても何も分かりませんでした。VENDOR ID を示すような情報も見当たりませんでした。





技適の認証番号「204-920377」で検索したところ、ダイソーの名前で登録されています。
認証日も令和元年11月で、最近です。 仕入れ品ではなく、自社開発製品ということになります。




技適の添付資料を見てみると、雑だなと思う部分もいくつか見られました。
1つ目の外観図 204-920377_01_002 は、特に気になる点はありませんでした。
技適認証 添付資料 204-920377_01_002

2つ目の分解図 204-920377_01_003 ですが、写真2枚目の上側のケース部品が別製品の物です。ケース下側が左に曲がっています。
写真3枚目には、上記でも述べましたがホイールの下にボタン部品が付いています。実際の製品には付いていない部品です。光学センサはKA8という型番ですが、実際の製品にはKA8ULという型番が付いています。写真5枚目ですが、24C128の刻印が異なるため、メーカーが異なるかもしれません。
技適認証 添付資料 204-920377_01_003

3つ目の 204-920377_02_004 は、この電波認証に必要なテスト結果です。9ページ目の資料から、駆動電圧は3.3Vが使用され、昇圧レギュレータにQX2306が使用されていることが分かります。このレギュレータも深センのメーカー(泉芯電子技術(深セン)有限公司)のようです。仕様書を手に入れることができませんでしたが、WEBサイトを読むとQX2306の説明となっています。

泉芯電子技術(深セン)有限公司 http://www.qxmd.com.cn 昇圧レギュレータ QX2306

10ページ目以降は電波の出力を測る試験です。正しい周波数帯で正しい出力が出ているか、周辺の帯域で大きなノイズが出ていないか等を調べます。14ページ目以降に波形データがあります。出力しているCH(周波数)によって出力ノイズの状況は異なりますが、同じような傾向が見られます。18ページ目を見ると800MHz付近で少し大きなノイズが載るようです。この帯域は、携帯電話で使用されているようです。その他には、1.767GHz付近、1.9GHz付近、1.6GHz付近にノイズが出るようです。1.767GHz付近は携帯電話、1.9GHz付近はコードレス電話やPHSに使われているため、影響はないでしょう。1.6GHz付近はGPS等で使用されています。GPSは非常に弱い電波のため、もしかしたらマウスを使っているとGPSの受信感度が悪くなるかもしれません。3.2GHzを先頭に逓倍のノイズが出ています。
32ページ目を見ると、基板上の昇圧レギュレータICを駆動させてないように見えますが、これでよいのでしょうか?Bluetooth駆動の電源回路は、無線認証対象に含まれると思うのですが。
技適認証 添付資料 204-920377_02_004


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