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No.5021 2021.1.31




富士通 デスクトップPC ESPRIMO に SATAインタフェースを増設する






□ 1.SATAインタフェースの空きパターン

富士通のESPRIMOシリーズでは、昔からマザーボードのSATAコネクタ付近に空きパターンがあります。
この空きパターンに部品を実装すると、SATAインタフェースとして普通に使用できます。 一部の機種では動かない可能性もありますが、当方では改造を行った新旧問わず色々な機種ですべて成功しています。 今回は、D751/Cでの改造事例です。








□ 2.筐体から基板を外す

部品を実装するには、マザーボード基板を筐体から外す必要があります。
方法は、ESPRIMO であればどの機種でも同じです。


(1) PCIスロットを外します。特にネジ留めはされていないので、上に引っ張れば外れます。




(2) マザーボードのメモリを外します。




(3) CPUファンを外します。
  写真では上側にあるファン横のつまみを外側に引っ張りながら、ファンを上に起こします。




(4) CPUヒートシンクを外します。
  4ヶ所のネジを緩めれば、外すことができます。




(5) ドライブのマウンタ固定ネジ2か所を外します。


拡大写真1

拡大写真2



(6) マザーボードに刺さっているATX電源コネクタ、4ピン補助電源コネクタ、フロントパネル操作用コネクタ、CPUファンコネクタ等をすべて外します。






(7) SATAケーブルのコネクタを外し、マザーボードに固定されているクリップからケーブルを外します。






(8) 筐体とマザーボードスロットを留めているネジ1ヶ所を外します。






(9) 筐体背面側に引っ張って、マザーボードスロットを外します。





(10) マザーボードをプレートに留めているネジをすべて外します。
   位置や数量は機種によって異なります。






(11) フロント側を持ち上げて、プレートから引き抜きます。





(12) マザーボードのみの状態になりました。慣れればここまで5分くらいでできます。











□ 3.部品を取り付ける

ここからが本番です。はんだ付けの難易度が高いので、自信のない人にはオススメしません。基板を壊すだけになるでしょう。

(1) 空きパターンになっているコネクタのスルーホールからはんだを取り除きます。 GNDとコネクタ固定用のスルーホールは、GNDの容量が大きいせいか、はんだがまったく溶けません。 基板の両側から共晶はんだ等の融点の低いはんだを盛って、はんだ吸引器で吸い取る、の繰り返しで少しずつはんだを吸っていきます。




はんだ吸引器の温度は最大の500℃に設定し、20秒間ほど基板に充てます。温度が低かったり充てる時間が少ないと、GND側のスルーホールのはんだは溶けません。スッポンや吸い取り線ではビクともしないでしょう。信号側は低温に設定し、基板に1〜2秒充てれば吸い取れます。






スルーホールからはんだを除去した状態です。ここまでするのに2時間くらいは掛かりました。垂れているように見える液体は、レジストの補修液です。吸引時は基板に傷がつかないよう、カプトンテープ等で保護しておいたほうが良いでしょう。






基板に部品を実装します。SATAの一般的な回路では、信号線の直流カット用にコンデンサを用います。容量は10nF以上を使用するのが一般的です。今回は22nFを使用しました。写真のように各信号線を繋ぐように部品を付けます。部品のサイズは1005を使用しました。大きすぎると基板のパットに入りきらないので小さい部品を使用したほうが、はんだ付けがしやすいです。適切なサイズは、マザーボードの世代や機種によって異なると思います。はんだ付け時にフラックスと先の細い小手先は必須です。コネクタを付けてしまうとコンデンサのはんだ付けが困難になるため、この段階ではんだ付けがきちんとされているか、ブリッジ等が発生していないか静電容量が測定できるテスターで静電容量と導通(抵抗値)を入念にチェックします。近くにテストポイントのようなパットがある場合、それを活用します。





コネクタを基板に取り付けます。コネクタ固定用の端子部分は基板のスルーホールの位置がオフセットされているため、コネクタ側を変形、加工しないとうまく付かない場合があります。信号線はスルーホールのピッチが短いため、ブリッジが起きないように気を付けてはんだ付けします。ここもフラックスは必須です。










□ 4.SATAインタフェースの動作確認

写真のように、Windowsインストール用として2.5インチのSSDをPCIスロットの空きに固定し、 3.5インチHDDには6TB等の大容量ドライブをデータ用として使用します。 古いESPRIMOでも、SSDに換装するとレスポンスが激速になります。




SATA用電源コネクタは空きがないので、分岐ケーブルを使用します。




BIOS画面です。今回2つのSATAコネクタを付けましたが、片側は無事に認識できました。 もう片側はBIOSで認識できないため、起動ドライブとして使用することができません。 この辺りは、ESPRIMOの世代や機種によって異なります。




ドライブ0(SATA0)と、今回取り付けたドライブ1(SATA1)、ドライブ5(SATA5)にHDD、SSD、DVDドライブを取り付けた状態です。BIOSで認識できないドライブ5(SATA5)もWindows上では正常に認識、動作できます。




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