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No.5010 2018.9.10
2018.9.29 印刷中の動画を追加





3Dプリンター Anycubic i3 Mega 〜導入編〜







□1.開梱、組み立て

買うと140サイズくらいの箱で送られてきます。
梱包はかなりしっかりと、かつ無駄なく合理的にされています。






マニュアルは英語ですが、図が多く、文章も短く分かりやすい感じです。
メーカーのサポートページに日本語マニュアルも準備されています。詳細は 〜概要〜 に記載しています。




付属品は、組み立てに必要な工具や材料はすべて揃ってます。
組み立て時は不要で、修理調整時に必要な工具まで揃ってます。
開梱時は、たぶんZ軸のシャフトからだと思うのですが、金属フレームがほんの少しグリースでベタベタな感じがします。
その為なのか、ゴム手袋まで準備されています。
この辺りの痒いところに手が届くような、ユーザーの行動を先読みした配慮の細かさは日本メーカーのお家芸だったと思いますが、 今や完全に中国のベンチャー企業のほうが上なのかもしれません。
というくらいホントにビックリします。





印字サンプル用のデータ等は、付属のMicroSDカードに入っています。 予備も含めてなのかSD変換カードが2枚と、それをパソコンで読み書きするためのUSB用 SDカードリーダーまで入っています。
ホントに、必要な物はすべて完璧に揃っています。




組み立ては簡単で、ヘッドのフレームとベッドのフレームをボルトで8カ所締めるだけです。


【公式ビデオ】ANYCUBIC i3 Mega 組み立て方法
http://cloud.video.taobao.com//play/u/843106490/p/1/e/6/t/1/50062178800.mp4



公式ビデオでは駄目な部分もあります。
ビデオのようにいきなり六角レンチを使ってボルトをねじ入れようとすると、ネジ山をなめて壊してしまいます。
8カ所のボルトは指で直接回して、仮締めをしたほうがいいでしょう。
ねじ穴をなめてしまったら、新しいボルトを準備して、ネジ山をタップ切りする必要があります。
なめた状況が酷ければ、ヘッド側のフレーム穴をドリルで広げる必要もあるかもしれません。

ビデオのように立てた状態で組もうとするとボルトが入りにくいので、 横に寝かせて穴位置を調整すると、ボルトは指で軽く締まります。 もし引っかかりがあり軽く締まらない場合は、ネジ山をなめる寸前ですのでボルトと穴との角度や位置を再調整します。 指で軽く回らなくなるまで仮締めをしたら、フレームを立てて本締めをします。 このときヘッド側のフレームにはかなりの遊び(ぐらつき)があることが分かると思います。 へッドフレームとベッドフレームが直角になるように調整してからボルトを締めて行きます。 このときいきなり本締めをするのではなく。8カ所の各ボルトを1〜2回転程度ずつ回して均等にトルク増しをして締め付けます。


横にすると、ネジ穴が合わせやすい



立てて、ヘッドフレームの垂直性を微調整してから
8カ所のボルトを均等に締めて行く




横にしたときは、220V-110Vの切替スイッチが見やすい状態になっています。 この時に115Vに切り替えておくと、後々忘れたまま動作せずに困ることもありません。


入力電圧スイッチは、早めに115Vに切り替えておく





ケーブルのコネクタを3カ所挿します。
ケーブルの長さに余裕がなく2個目、3個目のコネクタが押し込みにくいのですが、
カチッと小さな音が鳴るまで深く押し込みます。





謎のケーブル付きセンサーは、フィラメント用です。
写真のように取り付けます。取り付けるテーパー状の部分が磁石になっているので、センサーの玉の部分を吸着させます。





玉の部分を外して、写真のように取り付けるのは間違いです。





ヘッドがスライドするX軸の歪み調整をします。この行程は、ビデオにはありません。
初期状態だとヘッドがスライドする2本のシャフトに曲がりがあるようです。 シャフトを止める両側合計8本のボルトを緩めます。 緩めた状態でヘッドをX軸の中心付近にスライドさせます。中心付近でヘッドを軽く左右にスライドさせ、手や腕がヘッドやシャフトに触れないように慎重にボルトを締めます。ヘッドを左右にスライドさせて引っかかりが感じる場合は、再びボルトを緩めてシャフトを指でつまんで回して、一番スムーズにスライドできる位置を探ります。





次に、フィラメントの台座を組み立てます。
コツとしては、ボルトとナットを写真のように使用します。 強く締めすぎるとアクリル板が割れるので、緩まない程度に締めます。




最後にAC電源コンセントを挿して電源スイッチを入れて、
タッチパネルにメニューが表示されればひとまずOKです。
本体側のAC電源コネクタの挿入は硬いので、力を入れて押し込みます。
押し込みが不十分だと、動作中に瞬断等の原因になります。






□2.ベッド調整

印刷される造形物が乗る台座のことをベッド(bed)と言います。
加熱できるベッドをヒートベッドと言います。
このベッドの高さを微調整して、ヘッドノズルとの距離が均等になるようにします。

紙は、A4のコピー用紙を使用します。ベッドの4隅の隙間は、A4のコピー用紙をスライドさせたときに若干の抵抗を感じる程度に調整し、かつベッドの中心でヘッドノズルが接触しない高さに調整します。 この隙間が大きくなると、ABS等の密着性が悪い素材で印刷したときの剥がれや反りが発生しやすくなります。

ベッドのY軸のスライドが重い場合は、電源を入れてメニューから[Setup]を選択し、[Motor]を選択して実行します。このコマンドはモーターの出力をOFFさせるものです。電源が入っていない場合、モーターにトルクは掛かっていないはずですが、これをすることでスムーズにスライドできるようになる場合があります。

【公式ビデオ】ANYCUBIC i3 Mega ヒートベッド調整方法
http://cloud.video.taobao.com//play/u/843106490/p/1/e/6/t/1/50063744977.mp4












□3.プリンタメニュー

(1)Menu
起動直後のメイン画面です。3つの選択項目があります。
上部左側はヘッドの現在温度/設定温度、上部右側はベッドの現在温度/設定温度です。



a) Print
SDカードに入っているGcodeのデータを印刷します。
b) Setup
ヘッド温度やベッド温度、印刷速度などの設定、ステータス表示などができます。
ここで温度や速度を設定しても、Gcodeで温度や速度を設定している場合は、
Gcodeの情報が優先されます。
c) Tools
台座を動かしたり、ヘッドやベッドをプリヒートもしくは加熱をOFFさせたり、フィラメントを挿排させたりできます。


(2)Menu > Setup



a) English/中
表記の言語を選択できます。
b) Temp
温度が設定できるようですが、詳細不明です。(2018.9現在)
c) Motor
モーターの出力をOFFにします。
d) Status
プリンターのステータス情報が確認できます。
e) Speed
印字スピードが調整できるようですが、詳細不明です。(2018.9現在)


(3)Menu > Tools



a) Home
ヘッドをホームポジション(原点)に移動させます。
b) Axis
ヘッドを移動させることができます。
数値は移動量[mm]です。 X軸はヘッドの左右方向です。-Xは左側、+Xは右側に移動します。
Y軸はベッド(台座)の前後方向です。-Yは後退、+Yは前進に移動します。
Z軸はヘッドの上下方向です。-Zは下降、+Zは上昇に移動します。




c) Preheat
ヘッドやベッドを加熱させます。
Preheat PLA は、ヘッドを200℃、ベッドを60℃に加熱させます。
Preheat ABS は、ヘッドを240℃、ベッドを80℃に加熱させます。




d) Coolong
ヘッドやベッドの加熱を停止させます。
e) Filament
フィラメントの挿排ができます。 Filament In は、フィラメントを挿入方向に移動させ続けます。
Filament Remove は、フィラメントを逆方向に移動させ続けます。
一度押し続けると、いつまでも動き続けるので必ず[STOP]を押して停止させます。





f) Reset
設定を初期化させるようですが、詳細不明です。(2018.9現在)
g) More
現在のファームウェアバージョン等を確認する項目などがあります。





□4.印刷

テスト印刷をしてみます。
データは、SDカードに入っているフクロウの造形物を使用します。


最初にヘッドとベッドを加熱(プリヒート)させておきます。
やり方は、上記のメニュー項目を参考にしてください。

次にフィラメントをリール台に乗せます。




フィラメントをセンサーに通します。センサ本体に刻印されている矢印の方向になるようにします。
レバーをつまんで開いて、フィラメントを通して白い管に出てくるようにします。 ヘッド温度が200℃に達したら、フィラメントを押し込んでいき、ヘッドノズルからフィラメントが出てくるまで少しずつ押し込みます。写真は出し過ぎです。ノズルから出たフィラメントはティッシュ等で拭き取ります。





準備ができたら、いよいよ印刷です。 SDカードをスロットに差し込み、Printを選択します。
印刷できるデータの一覧が表示されるので、「Owl_pair.gcode」を選択して[PRINT]を選択します。




印刷が開始します。 ヘッド温度とベッド温度が設定温度に達していない場合、
達して安定するまで印刷は始まらず、加熱し続けます。




印刷中。






30分経過・・・。だいぶ印刷されてきました。






1時間経過・・・。完成までに相当な時間が掛かるようです。
ちなみにフクロウの大きさは1体あたり1.8x2.4x4.5cm程度です。






ようやく完成・・・。1時間22分掛かりました。
造形精度はかなり高いと思います。課題は速度ですね。
印刷中に発生するPLAの臭いも気になりました。換気扇は必須です。







内部はメッシュ状の中空構造になっています。
これは3D CADを使用して自分で引くのではなく、 スライサーソフト Curaを使用して自動で引きます。
手順としてはFusion360等の3D CADでモデリングデータを普通に作成します。 STL形式で保存したCADデータをスライサーソフトでGcodeデータに変換します。 このときに壁の厚さや内部メッシュの密度、ヘッドやベッドの温度、 印字速度、印字厚などの色々な設定ができます。









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