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No.4005 2016.5.23
GVIFの覚え書き
□1.GVIFとは?
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「GVIF」は、ソニーさんの商標登録です。規格としては、JEITA CP-6101:2012 にて規格化されています。
関連特許が登録されていれば遅くともあと数年で切れると思いますので、似たような信号特性や通信仕様を持つ通信規格が出てくるかもしれませんが、GVIFという名称は商標登録ですので今後もソニーさんの許可無しで使うことができません。
GVIFの特徴は、LVDSのように差動信号を用いた技術ですが、同期信号とデータでチャンネルが別れることがありません。すべてのデータも含めて1つのチャンネルで構成されます。差動化されたHiとLoの2本の電線ですべての信号が送られます。
欠点としては、1ペアの電線ですべてのデータを送るため、LVDSよりビットレートが増大して高クロックとなり、そのため経路インピーダンスの影響がシビアになります。例えば電線のシールドは必須のようです。
基本的に基板レイアウトについて厳しく管理され、厳密にインピーダンス管理された専用のコネクタを使用する必要があり、電線も高品質なものを使用する必要があります。このため、電線数が少ないので理論的なコストは低いのですが、実際のコストは高くなる場合があります。
ただし短距離であれば、テキトーにレイアウトした回路や非シールドのテキトーに作ったツイストペアでも正常に通信できるようです。実際にアンテナを使って測定した訳ではありませんが、このときのEMIは増加すると思いますし、ノイズ耐性も悪化すると思います。
残念ながら普及度は低く、商標等の権利の問題もあるため他のICメーカーで対応されることもなく、一部の機器で使用されているのみです。長距離の伝送路用としての用途が模索されているようですが、例えばHDMIであれば中継器を使って60m程度の長距離伝送が可能なようです。
電線数は多いけれども、対応機器もノウハウも多いHDMIのほうが有利な状況は今後も変わらないと思われます。
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