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No.4001 2016.5.2


仰天の新発想、ロボットアームで振動試験!?







□1.ロボットアームで振動耐久試験


ロボットアームの振動耐久試験ではありません。
ロボットアームによって製品が受ける衝撃の耐久試験でもありません。
ロボットアーム 振動耐久試験です。



以前に、非常に興味深い資料を発見してしまいました。
国民生活センターが行った振動耐久試験の報道資料です。


国民生活センター 自転車の荷台の強度
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20090604_1.pdf

この資料の7ページ目を見ると、エアバッグの衝突試験で見掛けるダミー人形が
椅子ごと後部へ落下している写真があります。



で、その写真の背景をよく見ると・・・。



なぜか黄色いロボットアームが。
自転車の生産ライン?


いいえ、違います。
なんと、ロボットアームの手先に自転車のサドルを取り付けて、
アームを高速に動かして振動試験を行っているのです。



写真の試験環境を見ると、自転車のタイヤが横に移動しないように固定されています。
つまり自転車を左右に揺らしたときに、路面が軸となって円弧運動する構造です。

この自転車の試験条件は、下記の通りです。
振幅はサドルの高さが明記されていないので、
女性成人の平均身長158cから63cmとしたときの推定値とします。


  振動周波数: 0.5Hz
  最大加速度: 約3m/s2
  振  幅:   タイヤ接地面を中心とした左右5°(約11cm)
  振動回数:  50000回
  供試品重量: 22.3kg(ダミー人形)+3.8kg(幼児座席)+約20kg(自転車)


試験条件を読む限りでは、路面の段差等の自転車の上下方向の振動は考慮されていないようですし、
進行方向前後も振動となり得る急激な加速度変化は少ないと思います。

同様の試験を行うことを考えた場合、
一般的には横振動の1軸の試験機を使おうと思うはずです。

しかし、11mmではなくて11cmも変位させる必要があるため、
通常の振動試験器を横に向けても不可能もしくは限界に近いことが分かります。

もちろん加振位置を下げれば対応可能ですが、微々たる差にしかなりません。
例えば24インチの場合、タイヤ外径は約60cmです。サドルを支える外周パイプはタイヤ外径の7〜8割程度から外周高さまでが中空で伸びている構造が一般的ですので、路面から約50cmの高さが限界だと思います。このときの変位量は約8.7cmです。 どちらにしろ、大型の振動試験機が必要です。

実際に自転車を左右に11cm、1秒間隔で 「1、2、1、2」 と振ってみると、
割と速度が速いことが分かります。
子どもを乗せて重い状態では、実際にあり得ない動作だと感じました。
テーラリングから求めた加速試験でしょうか?

とにかくロボットアームで物を揺らそうとする発想は、凄いなと思いました。
ロボットのメーカーは、こんな使われ方も想定して設計しているのでしょうか・・・?






ファナック ロボット商品案内
http://www.fanuc.co.jp/ja/product/robot/lineup/index.html



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