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No.3022 2022.8.6




シュレッダー アイリスオーヤマ P4HMS の紙が入っていかない不具合を検証する





□1.モーターが空回りして紙が入っていかない

購入後ほとんど使っていませんでしたが、ガラガラとモーターが空回りして紙が入っていかなくなりました。シュレッダーとして機能しませんので、何が原因なのか調査してみます。




シュレッダーのユニットを切り離すため、内側にある6か所のネジを外します。




外れた状態です。それぞれの突起部分ではまっているので、シュレッダーのユニットを上に持ち上げるようにして外します。




シュレッダーユニットを分解します。6か所のネジを外します。




基板とモーターを繋いでいる、矢印のコネクタを外します。




電源御基板です。マイコンで制御しているのかと思ったら、簡単な電源回路とリレーのみで動かしているようです。 これは原価が低そうですね。




蓋には電源御基板やセンサ、スイッチ等が付いてます。本体側に、シュレダー屑箱の検知用リレーが付いていますので、引っ張って断線させないように横に置いておきます。




筐体から、シュレッダーの駆動ユニットを取り外します。




隅の4ヶ所のネジで留まっているので、外します。




ネジが留まっていた部分にはスプリングが付いています。このスプリングで駆動ユニットの振動や騒音を減衰させているのでしょう。




筐体下面には沢山の鉄粉と、恐ろしく粘度の高いグリースが垂れています。嫌な予感がします。




筐体下面にはシュレッダー屑や垂れたグリースや鉄粉が散乱していますので、掃除します。




外した駆動ユニットの状態を確認します。上面に異常はみられません。




CD用シュレッダー機構を回すギヤ部分です。なぜかグリースがまったくついていませんが、摩耗やぐらつきは一切見られません。




モーター駆動面です。異常なほど粘度が高いグリースが沢山付いています。シュレッダーの屑がグリースにへばりついていて、グリース自体も黒く汚れていて状態が悪いです。手前の金属のプレートについて、2か所のネジを外してプレートを外します。




外したプレートの裏面です。プレートには高い粘度のグリースがこびり付いていて、樹脂ワッシャーが貼りついているはずですので、無くさないようにクリーニングして保管しておきます。




プレートを外した状態です。手前の黄色くて大きい樹脂製のギヤを引き抜きます。引っ張れば抜けると思いますが、不具合のせいで抜くのが難しいかもしれません。




外したギヤ(9T、46T)です。汚れが酷いのでクリーニングしてみます。




クリーニングした状態です。汚れは、高粘度グリースに鉄粉が混じり合ったもののようです。 歯の中心部が削れてなくなっています。これは酷いですね。焼き入れ処理等はされてないようです。




削れたギヤの相手側のギヤを外します。Eリングを外し、ギヤを引っ張れば抜けます。




外したギヤには、黒い汚れがビッシリ詰まっています。




クリーニングした状態です。汚れは、高粘度グリースに鉄粉が混じり合ったもののようでした。超高粘度グリースが削れた鉄粉を吸収し、研磨剤のように機能してギヤの削れを促進したようです。焼き入れ処理等はされているようで、とても硬く感じられるギヤです。




ギヤ表面をみると、中央部に段差とバリのようなものが見えます。このギザギザが金ヤスリのように機能して、ギヤを削っていったのだと推測できます。雑な作りですね。




ギヤが外れた状態です。せっかくなので、この高粘度グリースの汚れを綺麗に拭き取ります。




普通のウレアグリースを塗って、ギヤを元通りに組み付けます。
購入した家電屋さんに聞いてみたところ、アイリスは保守部品の販売をしてくれないとのことでした。修理の見積もりを取ると約6,000円でした。対策部品でないとまたすぐに摩耗すると思いますので、修理せずに廃棄することにしました。




Amazonで評判を調べてみると、同様の不具合の人がいました。シュレッダー屑の拡散や詰まり具合を見るとかなり使い込んだようにも見えますが、やはり設計不良か部品の製造不良の可能性が高いでしょう。




他にも製造が雑だと感じる所を発見しました。白い樹脂部品の間からシュレッダー屑が入り込んでくるのですが、それを防止するために白い紙テープが貼られています。しかし写真のようにキチンと貼られていないため、シュレッダー屑が入り込んでギヤに付着している高粘度グリースに貼り付いてギヤに噛み込んでしまっています。これもギヤ摩耗の要因の一つではないかと思います。




白い紙テープを剥がすと、シュレッダー屑が溜まっていることが分かります。









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