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No.3011 2021.12.26
ソニー WH-XB910N Bluetooth ワイヤレス イヤホン の ANC ノイズキャンセリング
□1.製品レビュー
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高価格帯、廉価モデル 23,000円程度の ANC対応 Bluetooth ワイヤレス ヘッドホン です。WH-1000XM4と同様の「デュアルノイズセンサーテクノロジー」が搭載され、ノイズをより的確にとらえる高性能ノイキャンと謳っています。
録音は、以下のように行いました。スピーカーの出力は、騒音計で測定して一般的な騒音とほぼ同じdB(ソプラノ歌手であれば70dB)となるように調整しています。
外音の音源は、以下のクリエイティブ・コモンズライセンスの物を使用させて頂きました。
音源ソース:https://www.youtube.com/watch?v=l3UK09xXM9o 1:30 - 3:10
【ソプラノ歌手の笑い声】★☆☆☆☆
音源ソース:https://www.youtube.com/watch?v=-krJw7np_Eg 5:40 - 7:20
【電車の車内】★★☆☆☆
【総評】★★☆☆☆
高音や人声系の騒音は、ほとんど減衰されません。
Amazon等の口コミ評価等を見ると価格相応の優秀なANCであると思ってしまいますが、かなり弱めのANCです。歩行の安全性を考えて意図的に弱くしているのかもしれませんが、真意は不明です。中国メーカー製、6,000〜10,000円程度のほうがANCは高性能です。
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□2.ノイズキャンセリングについて
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現在ノイズキャンセリングと謳われているものには、大きく分けてANCとCVCの2種類があります。それぞれまったく別の機能です。両方対応している場合もあれば、どちらかのみ対応の場合もあります。
ANC(Active Noise Control)は、日本ではアクティブノイズキャンセリングと呼ばれるものです。ノイズの音に対して、反転させた音を出すことで打ち消し合って±ゼロになるという技術です。外音を取り込んで反転させた音を出すまでに処理時間が発生しますが、電気は音の1000倍の速さがあるため、ANC対応のDSPを用いることで遅延(位相ズレ)を防いでいます。音の速さは一定のため、キャンセリング音と外音の時間ベクトルの位相差は、処理時間以外ではマイクとスピーカーの距離ベクトルと、外音音源とスピーカーの距離ベクトルのズレに依存します。外音の音源位置によらず完全に打ち消すには高度な技術が必要で、マイクを2つ使って距離ベクトルの補正をする製品も出てきています。この処理が速く反転音が正確なほど、音が消えることになります。
CVC(Clear Voice Capture)は、クリアボイスキャプチャーと呼ばれるもので、マイク機能を使って通話をするときに相手が聞き取りやすいようにエコーキャンセリングやマイクノイズを丸める機能のようです。CVC8.0 等と表記されています。ANCのように、外音のノイズをキャンセリングする機能はありません。Amazonのタイトルで単にノイズキャンセリングと書かれている場合、こちらを指している場合がほとんどなので注意が必要です。ANCなしでCVCのみで外音ノイズが小さく感じる場合は、そのヘッドホンやイヤホンの遮音性(パッシブノイズキャンセリング)が耳栓のように優れているだけです。
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□3.外観
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外箱です。ソニーっぽい感じの箱です。
ヘッドホンは、専用ケースに折り畳まれて入っています。
ヘッドホンの外観です。イヤパッドやハウジングは厚みがあるように見えますが、楕円で細長いため持ち運びにも支障がないサイズです。
イヤパッドの拡大写真です。パッドは、少し硬めです。バンドが緩めのためか、フィット感が少し弱いです。
LR左右は、バンドの付け根で判別できます。
スライダーは樹脂製です。
端子部分です。
ボタン部分です。
ハウジング上部です。
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□4.ノイズキャンセリングヘッドホンを付けて、ノイズキャンセリングイヤホンを使ったらどうなる? Anker Soundcore Life P3編
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イヤホンとヘッドホンのANCを有効にすれば、それだけ無音に近くなるような気がします。実際にどうなのか試してみました。
録音が難しいので、感覚での感想となります。
結果は、イヤホンとの相性が悪いのか、ヘッドホン単独のANCよりキャンセリングが弱くなります。キャンセリングしていない状態と同じような感覚です。
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