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No.2051 2020.4.12




【カーナビはスマホを使おう】
Bluetooth Audio対応 カーオーディオ パイオニア DEH-5600
(製品レビュー)






□ 1.DEH-5600 の概要

2019年10月発売のパイオニア(carrozzeria)のカーオーディオです。
DEH-5500の後継機種のようで、性能や機能はほとんど同じです。
デザインも小変更に留まり、マイナーチェンジのようです。


カロッツェリア メインユニット7機種を新発売
https://jpn.pioneer/ja/corp/news/press/index/2377


機能についてはUSBメモリはもちろん、Bluetooth やワイドFMに対応し、
アドバンスド・サウンドレトリバーなどの高音質化の機能も多数搭載されています。



カロッツェリア(パイオニア) カーオーディオ 1DIN CD/USB/Bluetooth DEH-5600





□ 2.モデル一覧

兄弟機種としてDEH-6600とDEH-4600があります。
数千円の価格差ですが、デザインがまったく一緒なため、何が違うのか気になると思います。
そこで比較しやすいように違いをまとめてみました。

機種DEH-6600DEH-5600DEH-4600
CD
USBメモリ
アドバンスド
サウンドレトリバー
Bluetooth×
ナビボタン×
iPodボタン××
BASSボタン
グラフィック
イコライザー
13 バンド13 バンド5 バンド
RCA出力 フロント出力
LR x1
リア出力
LR x1
サブウーファー出力
LR x1
サブウーファー出力
またはリア出力
LR x1
サブウーファー出力
またはリア出力
LR x1
価格


DEH-4600はBluetoothが搭載されていません。グラフィックイコライザーも5バンドに簡略化されています。
微妙に意匠部分のデザインも異なります。ナビボタンの部分がBASSボタンに、BASSボタンの部分がiPodボタンに変更されています。2020年4月現在、DEH-4600とDEH-5600の価格差は約4000円ですので、Androidスマホから音楽を再生したりしない場合はDEH-4600でも良いでしょう。

DEH-6600のRCA出力は、基本的に外部アンプとの接続に使用します。
基本的にDEH-6600とDEH-5600の違いはRCA出力のみのようですので、 「外部アンプなんて使わないよ」という人はDEH-5600で良いでしょう。






□ 5.DEH-5600とDEH-5500の新旧比較

(1) 意匠部(イルミ、LCD)

以下の図の下段が2017年発売のDEH-5400、中段が2018年発売のDEH-5500、上段が2019年発売のDEH-5600です。
デザインや雰囲気はDEH-5500とほとんど同じです。
ロータリーコマンダーがメタルからブラックに変更され、より大人な落ち着いたデザインになっています。
意匠部の細かな部分は、DEH-5500のレポートで紹介しています。

【レポートNo.2035】Bluetooth Audio対応 カーオーディオ パイオニア DEH-5500
https://www.suwatsu.com/hobby/report/report_2035.htm







(2) 外観

天板部分です。右がDEH-5600です。


サイド部分です。上がDEH-5600です。


背面部分です。上がDEH-5600です。


前面部分です。上がDEH-5600です。


ディスプレイ、操作ボタンです。下がDEH-5600です。


ディスプレイを外したエスカッションパネルの部分です。上がDEH-5600です。


エスカッションパネル(樹脂カバー)を外した前面部分です。上がDEH-5600です。




(3) 内部

基板全体です。上がDEH-5600です。
特に回路変更はないようです。基板はレジストが異なり、パターンのエッチングも微妙に異なるので別メーカーに変更されているかもしれません。 メイン基板の部品番号は、DEH-5500がQNP-3207-A、DEH-5600がQNP-3207-Bとなっていました。



電解コンです。上がDEH-5600です。
12V系のパスコンのようですが、16V 1000μFが ニチコンからエルナーに置き換わっています。エルナーといえば昔からオーディオで有名なところです。昔のエルナーは高温下での耐久性が低く車載には耐えられなかったのですが、今回使われたということは改善しているのでしょう。DEH-5600は中低音で音質が改善されているのですが、これが効いているのでしょうか?



ドライブです。上がDEH-5600です。
同じ構造のようです。聞き比べて違いも分かりませんでした。



メインで使用されているMPU(マイコン)です。上がDEH-5600です。
どちらもST Micro STA1080EOA ARM Cortex R4コア(450MHz)の車載オーディオ向けマイコンが使用されています。



サウンドプロセッサです。上がDEH-5600です。
ローム BD37067FV が使用されています。入力セレクタとGAIN調整に使用されているようです。



Bluetoothモジュールです。上がDEH-5600です。
ミツミ電機 WML-C95 というモジュールが使用されています。Bluetooth V4.1に対応しているようです。



FM/AMラジオ モジュールです。上がDEH-5600です。
NXP F8605 というモジュールが使用されています。DEH-5600 では受信感度が悪くなったように感じます。X851のオシレータらしき部品の実装の向きが反対になっていますがこれも影響しているのではないでしょうか?





(4) その他

以上のように、使用されている部品や構造は共通です。
内部を確認してみて、他に面白いと思った部分を紹介します。共通の構造や部品です。


@放熱処理
基板部分は、4chパワーアンプが実装された基板の裏側です。 はんだ実装面に放熱シートを取り付けて、金属フレームに熱を逃す構造です。 普通はアンプICのケースに放熱シート等を付けて金属フレームやヒートシンクに熱を逃すのみですが、 こういった工夫をして放熱性を上げているようです。 ちなみにこの機種で使われているアンプICは背面のヒートシンクと合わさっていますが、シリコングリスや放熱シートは使用されていません。



Aコネクタ
よく見たら、大きなコイルのようなものが付いています。コネクタの寸法と合うように開発した専用品だと思いますが、 面白いこだわりだと感じました。KENWOODのような基板にコイルがテンコ盛りは個人的に嫌いなので、こういうフレームネジ留めの処理には好感が持てます。



B電源
ロームの BD49101ARFS という カーオーディオ用の電源ICが使用されています。 個人的に電源回路は、信頼性やノイズの観点からも電源ICを使用してシンプルにすべきなので、こういう合理化は好感が持てます。







□ 5.アドバンスド・サウンドレトリバー、Bluetooth機能、スマホとの連携

基本的にDEH-5500と同じです。
概要は、DEH-5500のレポートで紹介しています。

【レポートNo.2035】Bluetooth Audio対応 カーオーディオ パイオニア DEH-5500
https://www.suwatsu.com/hobby/report/report_2035.htm





□ 6.まとめ

外観も内部も大きな変更はありません。
中身の大きな変化はありませんが、なぜか音質は良くなっています。
DEH-5500の音質が気になっているようでしたら、買い替えてみるのも良いかもしれません。



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