Copyright (C)SUWA TSUSHIN NETWORK.
All Rights Reserved. TOPへ戻る
スポンサードリンク

No.2027 2017.8.13


自動ブレーキの比較 2017夏









□1.2016 → 2017の進化

ダイハツは、スマートアシストVを投入しました。初代スマアシは終息しました。
ホンダは、ミリ波単独が終息しました。すべてホンダセンシングへ移行したようです。
スズキは、デュアルセンサーブレーキサポートを投入しました。



□2.各メーカーの自動ブレーキ対応率

今回から、各メーカーごとの自動ブレーキ対応率をまとめました。
2017年8月7日現在の情報を元にしています。
対象車種は、乗用車、軽自動車、商用車です。EVやHVも対象としています。
燃料電池車等は一般的ではないため、対象外としています。



図 各メーカーの自動ブレーキ対応率



1位はレクサスで100%ですが、価格帯や車種からすれば当然かもしれません。

2位はスズキで、83.9%です。2016年度も圧倒的な対応率でした。
軽トラやジムニーなどの一部の古い車種を除きすべて対応しています。

3位はホンダで78.3%です。乗用車はほとんどがホンダセンシング(ミリ波+単眼)に移行し、例のコンチネンタルのレーザーレーダー搭載機種は、シャトルを除き軽自動車のみになりました。
スポーツカー(NSX、シビック TYPE-R)と商用車(アクティ)、軽バン(バモス)のみが非対応となっています。
スポーツカーには不要という声もありますが、公道でレーシングな走行はしませんし、追突事故を起こす可能性も他の乗用車と同じです。商用車もスズキのエブリィや日産のキャラバンのように対応させている車種もあるため、運転に慣れている商用車だから不要という考えは間違いでしょう。

4位はトヨタで72.2%です。トヨタの対象車種は54車種と、ホンダ23車種と日産27車種の合計よりも多いため、ラインナップの多さが足枷となっているようです。

5位はマツダで、68.2%です。乗用車や商用車の対応率が悪いため順位が低くなっています。 軽自動車はスズキ既存車種のOEMですので、スズキの対応率の良さが マツダの対応率の悪さをカバーしています。軽自動車を除く対応率は、57.1%と最低値です。

6位はスバルで、66.7%です。軽自動車の対応率が悪いため順位が低くなっています。 軽自動車はダイハツ既存車種のOEMですので、ダイハツの対応率の悪さが 足を引っ張っています。実際に軽自動車を除く対応率は、81.8%と高くなっています。

7位はダイハツで、65.2%です。 スマアシ3に対応する車種も多い一方、軽バンや古い車種で非搭載が目立ちます。

8位は日産で、59.26%です。前回と同様に6月にこのレポートを書いていたのですが、 日産の対応率があまりにも悪いため8月まで待ってみました。 CM広告のせいか自動運転のイメージが強い日産ですが、実は最下位だったりまします。
マーチやキューブといった、他メーカーでは購入層の観点から改良等で優先的に対応するであろう車種も非対応です。GT-RやフェアレディZなどのスポーツカーも非対応です。 単眼カメラは、特定車種で場当たり的なアルゴリズムの作り込みをすると、レンズの微妙な特性から他車種展開時にまったく訳に立たなくなる場合もあるため、その辺りが悪さをしているのではないかと想像できます。セレナでは対応できたのに、キャラバンで単眼カメラが採用できなかったのもその辺にあるのかもしれません。

セレナ等に搭載されているプロパイロットは、自動運転ということでニュースでも特集が組まれました。しかしこれはレーンキーピングアシスト機能を持つクルーズコントロールですので、特に目新しさはありません。実際に日産では「ミニバンクラス初」と記載しており、高級車では以前から一般的に搭載されています。しかし多くの人は「自動運転」と認識していますので、テレビCMの影響力はまだ衰えていないことが分かります。





□3.自動ブレーキの種類

2017年8月7日現在の現行車種で設定されている各メーカーごとのシステムは、以下の通りです。



表 各システムのメーカーごとの名称




システムごとの車種数は、以下の通りです。


表 各システムの車種数
EB: エマージェンシーブレーキ
i EB: インテリジェントエマージェンシーブレーキ
RBS: レーダーブレーキサポート
ES: アイサイト
SS-C: Toyota Safety Sense C






■レクサス

レクサスのシステムは、必ずミリ波レーダーが使用されています。
レーザーレーダーは一切使用されていません。




図 対応車種におけるシステムの割合


(1) プリクラッシュセーフティシステム
対象
車種
HS、RC、RC F、CT、NX

ミリ波レーダーによるシステムです。
トヨタのプリクラッシュセーフティシステムと同様のシステムのようです。


(2) プリクラッシュセーフティシステム(歩行者検知機能付衝突回避支援タイプ)
対象
車種
GS、GS F、IS、LC、LX、RX

ミリ波レーダーと単眼カメラによるシステムです。
Toyota Safety Sense P と同様のシステムのようです。

レクサス プリクラッシュセーフティシステム
https://lexus.jp/brand/technology/lss/pcs/


(3) 衝突回避支援型プリクラッシュセーフティシステム
対象
車種
LS

ミリ波レーダーとステレオカメラによるシステムです。
アドバンスドプリクラッシュセーフティの進化版のようです。
ドライバーの状態をカメラで認識して、居眠りをしているときなどに
警報が鳴ったり警報ブレーキをするようですが、
自動ブレーキとしての本来の制動動作は変わらないようです。
相手が低速もしくは停車時に衝突回避できる最大の速度差は40km/hです。
旧LSのアドバンスドプリクラッシュセーフティと同じ値です。

レクサスLS アドバンスド アクティブセーフティ
(サイト中段に記載あり)
https://lexus.jp/models/ls/features/advanced_active_safety/



■トヨタ

トヨタのシステムは、Toyota Safety Sense PとToyota Safety Sense C がメインです。
ダイハツOEMの車種には、スマアシ2またはスマアシ3が搭載されています。
プリクラッシュセーフティシステム は、改良やFMC等で Toyota Safety Sense P に切り替わるでしょう。




図 対応車種におけるシステムの割合


(1) プリクラッシュセーフティシステム
対象
車種
アルファード、ヴェルファイア、SAI
プリウスα、ランドクルーザー プラド

ミリ波レーダーによるシステムです。
速度域にもよりますが、相手が低速もしくは停車時に衝突回避できる最大の速度差は30km/hです。
衝突軽減も含めた動作領域は、約10〜80km/hです。
対歩行者の自動ブレーキは、非対応です。


(2) Toyota Safety Sense C
対象
車種
アクア、ヴィッツ、オーリス、スペイド、ポルテ、ヴォクシー
エスクァイア、エスティマ、エスティマハイブリッド、アベンシス
シエンタ、ノア、アリオン、プレミオ、カローラ アクシオ
カローラ フィールダー、サクシード、プロボックス

レーザーレーダーと単眼カメラによるシステムです。
主に価格帯の安いクルマに使用されています。
速度域にもよりますが、相手が低速もしくは停車時に衝突回避できる最大の速度差は30km/hです。
衝突軽減も含めた動作領域は、約10〜80km/hです。

対歩行者の自動ブレーキには対応していないようですが、
同じシステムを搭載していると思われるスズキでは堂々と歩行者対応をうたっています。
トヨタ基準でカタログに記載できるレベルにはないが、
機能としては歩行者に対応しているのかもしません。

トヨタ自動車 Toyota Safety Sense C
http://toyota.jp/technology/safety/toyota_safety_sense/

センサーには、ドイツ コンチネンタル製が使用されています。
特徴としては、レーザーセンサーとカメラが一体となったモジュールで構成され、
低価格化、実装コストの低減を実現しています。

(3) Toyota Safety Sense P
対象
車種
カムリ、クラウン アスリート、クラウン マジェスタ
クラウン ロイヤル、プリウス、プリウスPHV、マークX
C-HR、ハリアー、ランドクルーザー

ミリ波レーダーと単眼カメラによるシステムです。
主に価格帯の高いクルマに使用されています。
カタログ上はSafety Sense Cと同等ですが、こちらのほうが能力的に高いはずです。
対歩行者の自動ブレーキにも対応しています。

トヨタ自動車 Toyota Safety Sense P
http://toyota.jp/technology/safety/toyota_safety_sense_p/

(4) スマートアシストU
対象
車種
タンク、パッソ、ルーミー
ピクシス ジョイ、ピクシス メガ

ダイハツOEMの車種に設定されています。機能や性能は、ダイハツ車と同じようです。

(5) スマートアシストV
対象
車種
ピクシス エポック

ダイハツOEMの車種に設定されています。機能や性能は、ダイハツ車と同じようです。



■スバル

スバルのシステムは、アイサイト3がメインです。
ダイハツOEMの車種には、トヨタと同様にスマアシ2またはスマアシ3が搭載されています。




図 対応車種におけるシステムの割合

(1) アイサイト
対象
車種
WRX S4

初代アイサイトです。

スバル WRX S4 アイサイト
https://www.subaru.jp/wrx/s4/safety/safety2_1.html


(2) アイサイト2 (アイサイト Ver.2)
対象
車種
エクシーガ クロスオーバー7

旧アイサイトです。
ステレオカメラがモノクロで、画素数が少ないようです。

スバル エクシーガ クロスオーバー7 アイサイト ver.2
https://www.subaru.jp/crossover7/crossover7/safety/eyesight.html


(3) アイサイト3 (アイサイト Ver.3)
対象
車種
レガシィ B4、レガシィ アウトバック、レヴォーグ、フォレスター
インプレッサ スポーツ、インプレッサ G4、SUBARU XV

身長1〜2mの歩行者が認識できます。
自転車やバイクへの自動ブレーキにも対応しています。
衝突回避は、対車両で速度差50km/h以下、対歩行者で速度差35km/h以下と、
各メーカーの中で飛び抜けた性能を持っています。
ただしカメラシステムのため、天候や照度条件によって性能が変化する場合が考えられます。

アイサイト3の特徴は、カメラ画像がモノクロからカラーになり、
色を認識するアルゴリズムが組み込まれたようです。
CMOSも高解像度化され、画素数が増えたためレンズも望遠広角化されました。
約40%広い視野で、約40%遠くまで認識できるようになったようです。

アイサイトの特徴として、自動ブレーキによって停車後にブレーキペダルを踏まない状態が2分を超えると、 電動パーキングブレーキが自動で動作します。 他メーカーのシステムだと一定時間経過後に自動ブレーキが解除されて、クリープ現象によって クルマが進んでしまいます。例えば、衝突軽減で人を轢いてしまったとき、 驚いてすぐに車外に飛び出してみたもののPレンジにするのを忘れてクルマが動いてしまう、という状態もスバル車では起きません。
少なくともスバルは、本気で自動ブレーキに取り組んでいるのだと分かります。

スバル アイサイト総合サイト
http://www.subaru.jp/eyesight/function/

ステレオカメラには、日立製(日立オートモーティブシステムズ)が使用されています。

日立製作所 車載ステレオカメラのしくみ (PDF)
http://www.hitachi.co.jp/kids/kinopon/kinopontown/download/detail_t01.pdf

ITmedia 自動運転技術 日立オートモティブ インタビュー 2016年04月26日
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1604/26/news013.html

(4) スマートアシストU
対象
車種
ジャスティ

ダイハツOEMの車種に設定されています。機能や性能は、ダイハツ車と同じようです。

(5) スマートアシストV
対象
車種
シフォン、ステラ、シフォンカスタム、ステラ カスタム、プレオ プラス

ダイハツOEMの車種に設定されています。機能や性能は、ダイハツ車と同じようです。
アイサイト3とは異なりデンソー製です。詳細は、ダイハツの部分で記載しています。



■マツダ

アドバンストスマートシティブレーキサポートという単眼カメラのシステムが出てきました。
スズキOEMの車種には、スズキのシステムがそのまま搭載されています。




図 対応車種におけるシステムの割合


(1) スマートシティブレーキサポート SCBS-F
対象
車種
デミオ

レーザーレーダーによるシステムです。
歩行者や二輪車の認識は、非対応です。

マツダ SCBS-F & SBS プリクラッシュセーフティ技術
http://www.mazda.com/ja/innovation/technology/safety/precrash_safety/sbs/


(2) アドバンストスマートシティブレーキサポート A-SCBS
対象
車種
アクセラ スポーツ、アクセラ セダン、アクセラ ハイブリッド
アテンザ セダン、アテンザ ワゴン、CX-3、CX-5

マツダ車の場合、このシステムがメインとなるようです。
単眼カメラによるシステムのようです。
ミリ波やレーザーレーダーを使った旧システムのSCBS-F & SBS と異なり、
歩行者や二輪車への自動ブレーキに対応させたようです。

非常に分かりにくいのですが、車種グレードによってミリ波レーダーの
スマートブレーキサポート(SBS)がメーカーオプションで取り付けできます。
レーダークルーズコントロール(MRCC)と SBS が、オプション装備のミリ波で動作します。
SBSは、排他的動作ではなくA-SCBSを補完する形で動作するようです。
他社同様のシステムにToyota Safety Sense Pなどがあります。

マツダ アクセラ i-ACTIVSENSE 安全機能
http://www.mazda.co.jp/cars/axela/feature/safety/i-activsense/

(3) エマージェンシーブレーキ
対象
車種
ファミリア バン

日産OEMの車種に設定されています。機能や性能は、日産車と同じようです。

(4) レーダーブレーキサポート
対象
車種
キャロル、スクラムワゴン、スクラム バン

スズキOEMの車種に設定されています。機能や性能は、スズキ車と同じようです。

(5) デュアルカメラブレーキサポート
対象
車種
フレア ワゴン、フレアクロスオーバー

スズキOEMの車種に設定されています。機能や性能は、スズキ車と同じようです。

(6) デュアルセンサーブレーキサポート
対象
車種
フレア

スズキOEMの車種に設定されています。機能や性能は、スズキ車と同じようです。



■日産

日産は他メーカーと異なり、センサの組み合わせによらず名称が同じです。
様々な組み合わせがあり、さらに三菱OEM車種のコンチネンタル製のシステムにも
同じ名称(エマージェンシーブレーキ)を用いているため、区別が非常に分かりにくくなっています。
インテリジェント エマージェンシーブレーキとエマージェンシーブレーキの違いもよく分かりません。
他車種の乗り慣れたエマージェンシーブレーキを想像して、
この車種も同じような挙動だろうと楽観視すると痛い目に遭うかもしれません。




図 対応車種におけるシステムの割合



(1) エマージェンシーブレーキ(単眼カメラ)
対象
車種
リーフ、ジューク、ティアナ、NV150 AD

歩行者や二輪車の認識に対応しています。
相手が低速もしくは停車時に衝突回避できる最大の速度差は30km/hです。
自車が約60km/h以上で走行しているときは、停止している車両や歩行者に対して衝突軽減も作動しないようです。

日産自動車(株) エマージェンシーブレーキ(単眼カメラ)
http://www.nissan-global.com/JP/TECHNOLOGY/OVERVIEW/emergency_brake.html

(2) インテリジェントエマージェンシーブレーキ(単眼カメラ)
対象
車種
ノート、ノート e-POWER、セレナ、エクストレイル

機能や性能は、エマージェンシーブレーキと同じようです。

日産 ノート 先進安全装備
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/note/safe.html

(3) エマージェンシーブレーキ(ミリ波レーダー)
対象
車種
フーガ、スカイライン

歩行者や二輪車の認識には、対応していません。
相手が低速もしくは停車時に衝突回避できる最大の速度差は 60km/h です。 70km/h 以上で走行しているときは、停止している車両や歩行者に対して衝突軽減も作動しないようです。

日産 スカイライン 先進安全装備
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/skyline/safe.html

(4) インテリジェントエマージェンシーブレーキ(ミリ波レーダー)
対象
車種
NV350キャラバン、シーマ

機能や性能は、エマージェンシーブレーキと基本的に同じようです。
相手が低速もしくは停車時に衝突回避できる最大の速度差は車種によって異なり、 シーマは60km/h、キャラバンは30km/h です。 シーマの場合70km/h 以上、キャラバンの場合約80km/h 以上で走行しているときは、停止している車両に対して衝突軽減も作動しないようです。

日産 NV350キャラバン 先進安全装備
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/nv350caravan/safe.html

(5) エマージェンシーブレーキ(レーザー)
対象
車種
デイズ、NV100クリッパー リオ

三菱OEMの車種に設定されています。機能や性能は、三菱車と同じようです。
外観は、例のコンチネンタルです。
他メーカーでは、ホンダのシティブレーキアクティブシステム等と同じシステムです。

日産 デイズ 先進安全装備
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/dayz/safe.html

(6) インテリジェントエマージェンシーブレーキ(レーザー)
対象
車種
NV100クリッパー

三菱OEMの車種に設定されています。機能や性能は、三菱車と同じようです。

日産 NV100クリッパー 先進安全装備
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/nv100clipper/safe.html

(7) エマージェンシーブレーキ(カメラ+レーザー)
対象
車種
デイズ ルークス

自動ブレーキ自体はレーザーレーダーのみで行っているようです。
第一印象では Toyota Safety Sense C と同じコンチネンタル製のシステムだと思ったのですが、
よく見るとコンチネンタルのレーザーレーダーの横に見慣れない単眼カメラが付いています。
搭載されているデイズ ルークスは三菱 eKスペースカスタムのOEMだと思われますが、三菱側にはカメラが搭載されていません。 非常に興味深い組み合わせです。

日産 デイズルークス 先進安全装備
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/dayzroox/safe.html


図 デイズ ルークスに搭載されているレーザーレーダーと単眼カメラ




■ホンダ

ミリ波単独のシステムがなくなりました。
他メーカーと異なり、様々なシステムが混在して分かりにくいといったことがないため、
システムの違いを調べながら車種選びを悩む必要がありません。




図 対応車種におけるシステムの割合

(1) ホンダセンシング 
対象
車種
アコード、ヴェゼル、オデッセイ、グレイス、フィット
フリード、レジェンド、ステップワゴン、ジェイド
シビックセダン、シビック ハッチバック

ミリ波レーダーと単眼カメラによるシステムです。
歩行者や二輪車への自動ブレーキに対応しています。
特徴として、警告時はブザー音と共にハンドルの振動でも知らせてくれます。
対向車にも対応しています。

本田技研工業(株) ホンダ センシング
http://www.honda.co.jp/hondasensing/

(2) シティブレーキアクティブシステム
対象
車種
シャトル、S660、N-WGN、N-ONE
N-BOX、N-BOX SLASH、N-BOX+

レーザーレーダーによる認識システムです。
歩行者や二輪車への自動ブレーキは、非対応です。

本田技研工業(株) シティブレーキアクティブシステム
http://www.honda.co.jp/safety/technology/active/ctba/



■スズキ

デュアルセンサーブレーキサポートという新システムが出てきました。
対応率が高いのですが、一度対応したら終わりでなく更新も他メーカーと比べて早いので、
いかに自動ブレーキに力を入れているのかが分かります。




図 対応車種におけるシステムの割合

(1) レーダーブレーキサポート
対象
車種
アルト、ラパン、ハスラー Fリミテッド、ラパン Fリミテッド
アルト ターボRS、エブリイワゴン、エブリイ、アルトバン

レーザーレーダーによるシステムです。
歩行者や二輪車への自動ブレーキは、原則として非対応です。
相手が低速もしくは停車時に衝突回避できる最大の速度差は15km/hです。

スズキ エブリイ 安全装備
http://www.suzuki.co.jp/car/every/safety/

(2) レーダーブレーキサポートII
対象
車種
バレーノ、エスクード

ミリ波レーダーによる認識システムです。
歩行者や二輪車への自動ブレーキは、非対応です。
相手が低速もしくは停車時に衝突回避できる最大の速度差は15km/hです。

スズキ バレーノ 安全装備
http://www.suzuki.co.jp/car/baleno/safety/

(3) デュアルカメラブレーキサポート
対象
車種
スペーシア、スペーシア Gリミテッド、スペーシアカスタム、スペーシアカスタムZ
ハスラー、ハスラー Fリミテッド、ハスラー JスタイルII
ソリオ、ソリオ バンディット、ソリオ バンディット F、イグニス、イグニス F

ステレオカメラによる認識システムです。
対歩行者の自動ブレーキに対応しています。
アイサイト3と同じ日立製ですが機能や性能は異なるようです。

スズキ ソリオ 安全装備
http://www.suzuki.co.jp/car/solio/safety/

日立 ニュースリリース ステレオカメラの従来比で1/2に縮小しスズキに納入 2015年12月21日
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2015/12/1221.html


(4) デュアルセンサーブレーキサポート
対象
車種
ワゴンR、ワゴンRスティングレー、スイフト

レーザーレーダーと単眼カメラによるシステムです。
外観を見る限りでは、Toyota Safety Sense C と同じです。
トヨタとコンチネンタル共同開発で今まで使用できなかったが、他社展開の制限期間が解けたかトヨタとスズキの業務提携の流れで使うことができた、といった感じでしょうか?
トヨタと異なり、対歩行者の自動ブレーキ対応をうたっています。

スズキ ワゴンR 安全装備
http://www.suzuki.co.jp/car/wagonr/safety/

図 デュアルセンサーブレーキサポートとToyota Safety Sense C


(5) エマージェンシーブレーキ
対象
車種
ランディ

単眼カメラによる認識システムです。
日産OEMのクルマに設定があります。
日産のエマージェンシーブレーキと同一の性能です。

スズキ(株) ランディ 安全装備
http://www.suzuki.co.jp/car/landy/safety/



■ダイハツ

初代スマートアシストを搭載した車種がなくなりました。
スマートアシストVという新システムが出てきました。今後はこのシステムがメインになりそうです。




図 対応車種におけるシステムの割合


(1) スマートアシストU (スマアシ2)
対象
車種
ウェイク、キャスト シリーズ、キャスト スタイル、キャスト スポーツ
ムーヴ キャンバス、ブーン、トール、ハイゼット キャディー

レーザーレーダーと単眼カメラによるシステムです。
トヨタ セーフティ センスと異なるのは、レーザーレーダーがバンパーに付いています。
歩行者や二輪車への自動ブレーキは、原則として非対応です。
相手が低速もしくは停車時に衝突回避できる最大の速度差は20km/hです。

理由はよく分かりませんが、ワイパーが Lo もしくは Hi 時は、動作が無効になるようです。
雨の日には運転するな、ということでしょうか?

ダイハツ工業(株) スマートアシスト スマアシ総合サイト
https://dport.daihatsu.co.jp/information/sumaashi/

デンソー ニュースリリース 新型レーザーレーダーを開発 2013年05月10日
http://www.denso.co.jp/ja/news/newsreleases/2013/130510-01.html

<参考>デンソー レーザレーダによる歩行者認識技術 2007(PDF)
https://www.denso.com/jp/ja/innovation/technology/dtr/v12_1/06.pdf


(2) スマートアシストV (スマアシ3)
対象
車種
ミライース、ミライース Bグレード、ムーヴ、ムーヴ カスタム
タント、タント カスタム

ステレオカメラによるシステムです。
対歩行者の自動ブレーキに対応しています。
相手が低速もしくは停車時に衝突回避できる最大の速度差は30km/hです。

ダイハツ工業(株) スマートアシスト スマアシ総合サイト
https://dport.daihatsu.co.jp/information/sumaashi/

スバル シフォン スマートアシストV (スバルのほうが技術的に分かりやすい)
https://www.subaru.jp/chiffon/chiffon/safety/smartassist.html



図 スマートアシスト3 ステレオカメラ


ステレオカメラには、デンソー製が使用されています。日立製ではありません。

デンソー ニュースリリース 小型のステレオ画像センサーを開発 2016年12月27日
https://www.denso.com/jp/ja/news/news-releases/2016/20161227-01/

Response デンソー、世界最小のステレオ画像センサーを開発…ダイハツ・タントに採用 2016年12月27日
https://response.jp/article/2016/12/27/287648.html



(3) Toyota Safety Sense P
対象
車種
アルティス

トヨタOEMの車種に設定されています。機能や性能は、トヨタ車と同じようです。
業界の常識として意匠が同じでも相手先の名前は隠すのですが、なぜかToyotaと付いています。





□4.各メーカーの車種設定


各メーカーごとの、具体的な車種設定は以下のようになっています。




※ 2017年8月7日現在の情報です。
※ 実際と異なる場合があります。正確な情報は、メーカーWEBサイトや取扱説明書等を確認してください。






□5.自動ブレーキの能力

自動ブレーキの能力は、衝突するクルマや人との衝突回避できる速度差が大きいほど、能力が高いと言えます。

一般的には車両重量によって制動力が変わり、センサー搭載位置によって検知能力が変わりますが、
世の中に出す前の試験テストでは、
「車両総重量+○○kgで時速○○km時に標準の障害物Aに衝突せず、ナンバープレートと障害物の間に○○cm以上の空間距離があること。表○に記載される○○種類の気象条件および路面条件のすべての組み合わせにおいて各○回以上実施し、例外なく前記の空間距離を保つこと。気象条件は、温度、湿度、照度、光源の空間位置によって定める。路面条件は、路面表面温度、舗装条件によって定める。雨天条件は、1m2あたりの水量で定め、試験中の蒸発量○○を考慮し・・・」
といった要件を満たすマージンを取った最低限の値がカタログ値であるはずですので、燃費と異なりカタログ値より劣ることは考えにくいでしょう。

各社のカタログ値は以下の通りです。
ホンダとマツダは、衝突回避の要件を数値で具体的に表現していないようで、不明としました。



※ 実際と異なる場合があります。正確な情報は、メーカーWEBサイトや取扱説明書等を確認してください。



衝突軽減については、どの程度軽減されるのかの数値化は難しく、各社のカタログでも具体的に表現されていません。
衝突する相手によっても結果は異なりますし、道路や周囲の環境によっても異なります。
コツンと軽く当たっても交通事故です。衝突時の速度が40km/hから30km/hへ下がる場合も衝突軽減です。
その点を考慮しながら表を確認してください。




□6.速度差とは?

相手の車が停まっていれば、速度差=自車の速度となります。
自車が40km/hで走行していれば、速度差は40km/hです。

相手の車が走行していれば、自車の速度−相手の速度=速度差となります。
相手の車が10km/hで自車が40km/hのとき、速度差は30km/hとなります。





基本的に追突事故を起こすときは、前車に追随して走行しているため、
前車がブレーキを踏んで車間距離が縮まったときに自動ブレーキが効くことになります。





例えば高速道路で車列の先頭を80km/hで走行していて、うっかりよそ見をしていたら渋滞で停まっていたクルマに勢いよく衝突したといったケースは速度差が大きいため、現状の自動ブレーキでは衝突回避の対象外のようです。衝突軽減しかできません。




□7.車種の具体的な性能を知りたい

具体的な車種が決まっている場合は、
以下の公的機関にて自動ブレーキの性能が実証されています。
といっても、出たばかりの最新車種は対応していないようですが。
該当車種がなくても、同じシステムを搭載した車種の試験結果を見れば参考にはなります。

(独)自動車事故対策機構 予防安全性能アセスメント
http://www.nasva.go.jp/mamoru/active_safety_search/


一覧表にはポイント形式で記載されているので意味が分からないと思いますが、
「結果の詳細」 を見ると具体的に何km/hまで衝突回避できて、
何km/h以上だと衝突するのか詳細が記載されてます。





スポンサードリンク

TOPへ戻る


ご利用条件
 Copyright (C)SUWA TSUSHIN NETWORK. All Rights Reserved.