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No.2025 2017.6.5




【カーナビはスマホを使おう】
  Bluetooth Audio対応のカーオーディオ パイオニア DEH-5300
(製品レビュー)






□ 1.DEH-5300 の概要

2016年10月発売のパイオニア(carrozzeria)のカーオーディオです。
発売と同時に大人気なようで、2017年6月現在でも価格comやAmazonにてランキング1位です。
2017年春頃には、品薄で入手困難な時もあったようです。


安い割にはBluetooth に対応し、最新機種のためワイドFMに対応し、MTP(Media Transfer Protocol)や AOA2.0(Android Open Accessory Protocol Ver.2)といったスマホ連携機能などが搭載されていまます。
アドバンスド・サウンドレトリバーなどの高級機向けであった機能も搭載されています。




 







□ 2.イルミ電源(信号)に対応している

最近のケンウッドやクラリオンのカーオーディオは、イルミ電源を接続する配線が省略されています。
廉価機、高級機を問わず、イルミ信号入力が廃止されています。

では意匠部(前面のイルミ表示画面)に照度センサーが付いていて自動でイルミが調整されるのかといえば、
そんな機能は搭載されていないようです。
ただし、設定ではディマーの項目があり、
予約した時間の範囲でディマーが有効になる機能は搭載されているようです。

つまり昼間に地下駐車場やトンネル内では、眩しいと感じても減光させる手段がないのです。
(ディマーの物理ボタンがあり、それを押すことでON/OFFできる機種もあります)


パイオニアのカーオーディオにおいても省略させる兆候がみられ、例えば上位機種のDEH-6200では
イルミ配線が省略されています。
しかし本機 DEH-5300においては省略されず対応してます。
かつては楽ナビでTUNEの物理ボタンを省略してユーザーから絶大なひんしゅくを買ったカロッツェリアですが、
イルミ入力の省略も大失敗だと気がついたのでしょうか?
新機能であれば良いのですが、機能削減等についてユーザーを試すようなことはやめて欲しいと思います。
あって当然だと思われている機能について知らずに買った人には、大きな不満要素となります。
ほとんどの人は不満の声すら上げず、買い換え時は対策として他メーカーの製品を買うだけです。
イルミ信号入力の有無は、ケンウッドやクラリオンは選択肢から除外して、
カロッツェリア一択となるくらい大きな要素となるでしょう。




DEH-5300 取扱説明書より



なおイルミネショーン調光機能付きのクルマでは、ディマー機能がうまく動作しない場合があります。
対策方法は以下の記事で紹介しています。

 No.2026 調光機能付きイルミネーションから安定してイルミ電源を取る方法





□ 3.ロータリーコマンダー

左右に回す、押し込むクリックの操作ができます。
残念ながら上下左右のスティック動作ができません。
パイオニアの上位機種のカーオーディオではスティック操作で選曲できる機種が多く、
その操作に慣れていると最初は違和感があります。




クリックが軽いため、ボリューム調整時に誤ってMENU表示にさせてしまうことがありました。
ですので、クリック操作でMENUになってしまうのも違和感があります。
日常において音楽を聴くときにはボリューム調整にしか使いません。
MENUで設定を再変更する機会はほとんど無いはずです。
MENUボタンは誤操作を防ぐためにも、押しにくい位置に小さくあるべきだと思います。
もしくは誤操作を防ぐために、クリックを重くすべきでしょう。

他にもロータリーコマンダーが左に寄りすぎるため、
運転席から左上のSRCボタンを押すときにロータリーコマンダーが少し邪魔に感じます。
SRCと光っている部分を押そうとしてしまうためですが、デザイン的に少し残念な部分です。
下図のようにラベル位置を上に持ってくるだけで、全然違うような気がします。




操作性については、残念ながら改善したほうが良い点が多く感じられました。

ちなみにロータリーコマンダー右側のPHONEボタンが昭和やバブル時代のシャンデリア的な派手さで違和感を感じるのですが、私だけでしょうか?






□ 4.アドバンスド・サウンドレトリバー

かつてMP3で流行った、記録されていない高音域を再現させる機能のようです。
無い音を生み出す機能なので、イコライザーとは異なります。
今までは2万円程度以上の価格帯の機種で搭載されていたと思うのですが、
いよいよ低価格帯の機種にも搭載されました。

取説には明記されていないようですが、ラジオでは使用できません。
Bluetooth Audioや USB再生時などで使用できます。
昔の機種ではCDは非対応だった気がするのですが、本機ではCDも対応しています。


設定方法は、対応ソース再生時に以下の手順で行います。
ソースOFFやラジオ再生中はできないようです。


@ロータリーコマンダーを押してメニューを開く。


Aロータリーコマンダーを回してFUNCTION を選択して、ロータリーコマンダーを押す。



Bロータリーコマンダーを回して S.RTRVを表示させる。
 初期設定はOFFになっています。



Cロータリーコマンダーを押すと「S.RTRV 1」、
 もう一度押すと「S.RTRV 2」さらに押すと「S.RTRV OFF」と切り替わります。

 モード1

 モード2


例えば、邦楽で200kbpsのWMAフォーマットの場合は、モード1が最適です。
モード2だと高音がキツくなり、シャリシャリ感が耳障りに感じました。
この機種に関係なく、どの機種でも同じ傾向があります。





□ 5.Bluetoothオーディオ

DEH-5300は、Bluetoothオーディオに対応しています。
初回にペアリングしておけば設定が記録され、次回からは自動でペアリングされます。
スマホで再生しているYoutubeや「ラジコ」(http://radiko.jp/)などの音声が、
Bluetooth経由でカーオーディオで再生できます。
これの為に買い換える人も多いでしょう。


ここで気になるのはペアリング時のスピードと安定性です。
残念ながら、ペアリングがうまくいかなかったり、認識までに時間が掛かったりしました。


ペアリングは、以下の手順で行います。

@PHONE ボタンを押す。



Aロータリーコマンダーを回して、ADD DEVICE を選択してクリック。



BBluetooth デバイス(スマホ)の検索が始まります。


このとき、スマホのBluetoothをONにしておく必要がありますが、
スマホ側の設定が正しくないとカーオーディオ側が検出できません。
ペアリング時は、スマホ側のBluetoothの設定で、
「周辺のすべてのBluetoothデバイスに表示」のような設定をONにする必要があります。



これで通常はペアリングできるのですが、なぜかできませんでした。
対策として、DEH-5300で検索を開始したときにスマホ側でもBluetooth デバイスの検索を開始すると、
スマホ側でDEH-5300が検出できるのと同時にDEH-5300側でもスマホが検出できました。
検出までには20〜30秒くらい掛かったので、反応は割と遅めです。
楽ナビではそんな面倒なことをしなくてもペアリングできるので、
本機特有の不具合だと思います。

ペアリングができると、画面の右上にBluetoothのアイコンが表示されます。



スマホ側は、DEH-5300と型番で認識されます。




Bluetoothオーディオの能力ですが、確実に進化しています。
下図はYoutubeで欅坂46のサイレントマジョリティーを再生したときのものですが、
画面に「46 OFFICIAL」と表示されています。他にも「YOUTUBE CHANNEL」とスライド表示されます。
さりげない機能ですが、今まのBluetoothオーディオは単なる音声の伝達のみであったので、着実に進化しているなと感じました。



他のアプリでも表示ができるのかな?と思い、試しに「らじるらじる」を使用してみました。
残念ながらラジコではNHKラジオが視聴できないのですが、らじるらじるはNHK公式のラジオ視聴ツールです。
試しに国会中継を再生してみましたが、残念ながら単に音声が流れるだけでした。






□ 6.携帯端末で操作するマルチディスプレイモード

スマホでカーオーディオを操作する機能のようです。
使用するには、Google Playで「Pioneer ARC」をインストールする必要があります。
Google Playで検索すると似たようなツールが色々出てきますが、パイオニア公式はこのPioneer ARCです。



たまたまタイミングが悪かっただけなのかもしれませんが、アプリをインストールして起動させてからDEH-5300にUSB接続すると、アプリ側でDEH-5300が認識できず「未接続」のままとなりました。
試行錯誤しようにもアプリ側には設定項目がまったくなく、DEH-5300側にもそれらしい設定項目がありません。



対策としては、 一度アンインストールして、USB接続した状態でアプリをインストールして、アプリを起動させるとDEH-5300が認識できました。


試しにMusicという項目が出てきたので、音楽を再生してみると、
なんとスマホのスピーカーから音楽が鳴りました(笑)。カーオーディオ側は無音です。



試行錯誤してみようとスマホを色々見てみたところ、



MTP(Media Transfer Protocol)の文字が。



「メディアデバイス(MTP)」を選択すると強制的に「充電のみ」に戻ってしまいます。

結局、何をやっても改善しませんでした。
このスマホはAndroid 7.0ですので、スマホが古くて正常に動作しない、といったよくある問題でありません。
アプリの評価を見ても☆1〜2が多く、うまく動作しない書き込みが多数見られます。
台湾や中華製のよく分からない、あきばおーで売ってそうな怪しい機器レベルの品質なのでしょうか?
今後の改善を願うばかりです。




もう1つの売りである、スマホ側でオーディオ設定ができる機能ですが、
こちらは使えました。イルミの設定などには使えないようです。
アプリが接続を認識できている場合、アプリのメニューに「デバイス設定 オーディオ」という項目が表示されるので、それをタップします。



オーディオのほとんどの項目が設定できるようで、これは便利だと思いました。
オーディオの再設定が必要になったときには、設定の操作方法を忘れてしまっていますが、
これなら操作方法を忘れていても直感で操作できます。

 




□ 7.まとめ

Bluetoothのペアリングに少し癖があったり、スマホ連携についてはうまく動作しない部分も確認できました。
純粋にカーオーティオとして見てみると、アドバンスド・サウンドレトリバーに対応して、
音質はcarrozzeriaのオーディオ専用機として期待通りの良さです。
また、最新機種としては数少ないイルミ信号入力対応です。
これで11,000円(2017年6月現在)でお釣りがくるのであれば、間違いなく買いだと思います。



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