|
直流安定化電源にインバーターを繋げて、インバーターには電球を負荷として取り付けて動作を確認してみます。
負荷には7Wもしくは100Wの電球負荷を付けてみます。電源電圧は14Vですので、100Wの場合に効率100%で7.1A、7Wの場合に効率100%で0.5Aとなります。実際の消費電流を測定して、その差がインバーターで損失として使っていることになります。このときのAC100Vの波形も測定してみます。接続する機器に掛かる厳しさを見るために、波形から0 to peakの電圧も測定します。ほとんどの機器は、半波整流をして直流にして使用しますが、このときの半波の電圧が高いと接続する機器が早く劣化することになります。単相Vp-pの電圧も測定します。50Vと-50Vの差で100Vを生成するのが最も安全です。しかし理論上は1000Vと900Vで100Vを生成することもできます。高い電圧に昇圧したほうが効率は落ちますが経路上の抵抗損失が低くなるため安定性は高くなり、安全性は低くなるでしょう。
ちなみに家のコンセントのAC100Vを測定したときの波形は、以下の通りです。
ピークtoピークで150V、rmsで52.6V、52.6V x 2 = 105.2V、蓼科高原は長野県ですので周波数は約60Hzです。
今回測定するレンジにて、2相を測定したときの波形です。
合成波は同じく100V/divです。実効電圧は、合成波形から75V÷ルート2=53V、×2=106Vとなります。
結果は以下の通りです。各インバーターの電圧は、次の章にて紹介します。 電圧ですが、メルテック以外は全体的に過電圧気味で、LST-1だと、合成電圧で90Vもあります。一般的な半波整流回路の耐圧は100〜110Vで設計されており、矩形波の立ち上がり立下りは高調波成分で構成されているので、古い機器によっては燃えるのではないかと思います。燃えなくても電解コンの寿命は加速するでしょう。最近の機器は200V/100V共通設計の場合があるので、そういう回路では大丈夫だと思われます。
と書くと単相電圧も低くて安全なメルテック一択だと思いますが、伝統的?にメルテックはシガーソケットが抜けやすく、この機器もとても抜けやすいのです。車載で使用しているとすぐに抜けてしまうので、自分なら選びません。ソケットプラグだけ改造して交換してしまえば、最強かもしれません。
変換効率ですが、LSTの製品は消費電流が大きいようです。損失が大きいというよりは、電圧が高く周波数が60Hzであるのが要因だと思われます。BESTEK、メルテック、エーモンは、損失が小さい(効率が高い)ようです。損失が小さければ発熱しないので、ファンを回す必要がなく静かということです。
ケースには樹脂と金属(アルミ)の2種類がありますが、金属だとクルマの内装に傷がつくのでおススメしません。
よって今回おススメなのは、
BBESTEK MRI1510AU
Cエーモン 8626
のどちらかです。
※V0-pは、7W出力時の値
No | 製品名 | W数 | 7W [A] | 100 W [A] | 合成 V0-p [V] | 単相 V0-p [V] | 周波数 [Hz] | ファン音 | その他 |
@ | LST LST-1 | 200W | 1.03 | 10.69 | 90 | 130 |
59.7 | FAN小型のため、唸り音がうるさい | 100W ON時に電圧表示が一瞬消える |
A |
Amison US-M5-1
| 200W | 1.09 | 8.59 | 80 | -120 | 54.7 | 熱くなると回る。うなり音が少しうるさい。 | - |
B |
BESTEK MRI1510AU
| 120W | 0.71 | 9.07 | 80 | 140 | 54.8 | FAN回らず?とても静か | 波形が特殊 |
C |
エーモン 8626
| 120W | 0.81 | 9.16 | 80 | -120 | 54.7 | テスト中聴こえず。FANレス? | - |
D |
BESTEK MRI3010BU
| 300W | 0.93 | 8.80 | 80 | 140 | 54.7 | とても静か | 波形が特殊 |
E |
メルテック SIV-150
| 120W | 0.68 | 9.20 | 70 | 100 | 55.1 | テスト中、ファン回らず | ソケット抜けやすい 100W ON時に過電流検知が掛かる |
F |
LST 2011SK-8
| 200W | 0.93 | 11.08 | 80 | 110 | 60.4 | FAN小型のため、唸り音がうるさい | 100W ON時に電圧表示が一瞬消える |
|