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一般道路での完全な自動運転は、乗用車も含めて10年後も99.99%不可能です。
現状のセンシング技術で、飛び出してくる子どもや巻き込み事故を完全に防ぐのは不可能です。不幸にも轢いてしまって、それを検知できずに走行し続けたらひき逃げです。仮に停車できたとしても、無人では道路交通法第72条の救護義務が果たせません。無人運転車のみ優遇してしまえば、法の下の平等という基本理念や、ひき逃げの定義や意味づけが根本的に変わってしまうことになります。
その他にも困難な場面は、至る所にあります。例えばクルマ同士が行き交う場合、路側帯も使って徐行しながらギリギリすれ違うことができる道幅で、その路側帯に宅配便のトラックが駐車してたり歩行者がいるようなシーンは、日本中の至る所にあります。駅近くでは、車道を歩いている沢山の歩行者や自転車の間をすり抜けながら走行するようなシーンも、至る所にあります。その至る所からランダムに選定し、人間が運転したときと同じように人や物に衝突せずにすり抜けられる自動運転技術は、2016年時点でも存在していないと思います。Googleカーでも不可能でしょう。少なくとも道路が歩行者優先である限り、20年後も不可能です。
自動運転には路面のセンシングが必須ですが、その道路の状態はどうでしょうか?荒れた路面や白線の消えかかった道路が、全国に沢山あります。実際にいろんな道路を走行してみれば分かると思いますが、道路の設計も地域ごとでバラバラです。都内の広いくの字カーブの交差点を初めて走行したとき、交差点内のどの位置を通って良いのか分からなくなった経験は、誰にでもあると思います。
曖昧に管理された交通誘導や道路工事現場のセンシングも不可能です。しかしそのような現状であっても人間が運転している限りうまく交通整理ができているので、今後も何かが改善される可能性は低いでしょう。
低コストで完全なセンシングができなければ、その見切り発車で販売された自動運転車は燃料電池車よりも普及しないでしょう。
センシングの誤検知や過検知も、人間の判断能力と同等以上のレベルで無くす必要があります。同等以下である限り、自動運転はあり得ません。
現状研究開発されているレベルのITSシステムをすべての交差点に設置し、維持するのも財源的に不可能です。もし強行に巨額な税金を投入し、財源として自動車税やガソリン税等を引き上げれば、ほとんどの有権者はその政権に三行半を突きつけるでしょう。
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