No.1016 2018.7.29 2018.9.29 GPUについて追記修正 HUAWEI P20 lite についてまとめてみました。 2018年6月頃に発売された機種です。 チェック時のビルド番号は、ANE-LX2J 8.0.0.110(C635) です。 名機 P9 lite と比較してみました。 □1.製品仕様 主なスペックは、下記の通りです。 メインメモリは2倍になりましたが、スペック的にあまり変化がないことが分かります。 P20 liteでは電池の持ち時間が悪化しています。
□2.外観 写真は、 HUAWEI P9 lite (左側) との比較です。 両方とも画面保護フィルムを貼り付け、TPUケースに入れた状態です。 写真ではわずかの差に見えますが、細く長くなっています。 わずか数mmの差ですが、片手で持ちやすくなりました。 底部の比較です。上がP20、下がP9です。 イヤホンジャックの位置が上部から底部の赤矢印の位置に移動しました。 イヤホンコードが引っ張られると本体ごとポケットから抜け出てしまうなど、 底部に端子があると色々と不便ですので改悪といえるでしょう。 USBコネクタの位置は一緒ですが、形状が microUSB B から USB Type-C に変更されました。 電源ボタンと音量ボタンの比較です。上がP20、下がP9です。 ほぼ同じ位置にあり、大きさもほぼ同一です。 P20では、少し固くクリック感が感じられるようになりました。 指紋センサーの比較です。右がP20、左がP9です。 ほぼ同じ位置にあり、センサの形状が四角から丸型へ変更となりました。 指紋登録の条件が悪かっただけかもしれませんが、指紋の認識率が若干落ちた気がします。 P9では多少指がずれても認識しましたが、P20では認識できない場合が見受けられます。 カメラの比較です。P20はデュアルカメラのため、TPUケースの開口部が大きくなっています。 SIM & microSD スロットの比較です。特に違いは見られません。 □3.画面縁の2.5Dガラス問題 P20 liteでは、画面に2.5Dガラスが使用されています。 縁がフラットではなく、曲面になっています。 ですので、ガラス保護フィルムを貼ると縁が接着できずに浮いてしまいます。 画面が点灯しているときに浮きは気になりませんが、埃や塵が入りやすいので視界が悪くなる可能性があります。 保護フィルムも剥がれやすいので注意が必要です。 これが気になるようであれば、P9 liteを使い続けるしかありません。 □4.性能 CPUには、Kirin 659 オクタコア が使用されています。 P9 lite のKirin650 と比べてCPUクロックが360MHz、18%のクロックアップがされています。 操作感は、スクロールやタッチに対してよりレスポンス良く滑らかに表示されるのかと思いましたが、P9と比べて悪化しています。アプリにもよりますが、引っかかりやもっさり感のような症状が若干みられます。 2Dゲームはもちろん、簡易的な3D表示のゲームでもより快適に綺麗な画質で楽しめるのかと思いましたが、P9と比べて若干カクカクします。 要求性能が高いFFRKも超必殺技発動時などにP9と比べてわずかにカクカクや処理落ち表示がみられます。 ユーザビリティを定量的に表現するのは難しく、感覚的な表現になってしまいますが全体的にレスポンスが悪化しています。 原因は、Android8になってバックグラウンドでの処理が増えたなど色々と推測できますが、おそらく画面サイズが大きくなったのが原因です。 画面サイズは、1920 x 1080 から 2280×1080 に増加しています。ピクセル数が18.75%の増加です。 P20のKirin 659とP9のKirin650のGPUには、どちらもMali-T830が採用されています。本品は縦に長いため、ほとんどのゲームでは上下端が使用されず黒ベタ、もしくは背景の壁紙が表示されます。 3D処理はゲームで使用する表示領域のみが処理されて他の2D表示の上にレイヤーで貼り付けるようにすれば画面サイズに影響なく表示できるのですが、一般的には画面サイズが3Dの処理領域になります。 処理能力に変更がなく画面サイズが大きくなっているため、処理落ちが発生しているのだと思われます。3D処理を使用したゲームではCPU描画ではなくGPU描画が一般的であると思われるので、もしGPUに性能差がなければ画面が広くなった分だけ処理が落ちていることになります。 パソコンの3Dベンチマークでも画面サイズが大きくなるとスコアが悪化するのと同じ論理です。 使用されていなくても画面が広くなった分、処理が落ちている □5.画面 画質は、P20 liteが若干青っぽく、P9 liteが相対的に赤っぽく感じられます。 (1)表示領域 左がP9 lite、右がP20 liteです。 上下に画面領域が伸びています。 両方のスマホを重ねた状態です。 左側は、上がP20で下がP9。 右側は、下がp20で上がP9。 同じ1080ピクセルの幅ですが、P20 liteのほうがわずかに短いことが分かります。 つまりP20はピクセル密度が高い(ピクセル面積が小さい)ようです。 (2)文字入力の位置 左がP9 lite、右がP20 liteです。 ソフトキーボードおよび▽○□ボタンの位置が下にシフトしています。 P9 liteでも片手で持って親指で操作しようとすると本体サイズが大きいのでかなりの無理があったのですが、 P20 liteでは下にシフトしたために親指がより届きにくくなっています。 指の動きに対する入力が異なるため、慣れるまでは誤入力も多くなります。 ▽○□ボタンに至っては、親指では届かないため両手を使うことになります。 □6.最小音量 P9 lite は、アプリの音量を最小にしてもスピーカー出力音が大きい問題がありました。 P20 liteでは、一般的なスマホと同じように音量を最小にすると、かすかに聞こえる音量になります。 以下は測定比較です。ボリューム最小で1kHzを再生して、3cmの距離から別のスマホ(Ascend G6)での測定です。 3cmの距離ですが、-20dBの差がありました。 測定方法は、以下の記事を参照してください。 レポートNo 4006 - スマホ FFTアナライザの実力 2017 □7.キーボード入力 P9 liteと同じく、オムロンの iWnn IME (Ver2.11.1) が標準インストールされています。 オムロンソフトウェア iWnn IME for Android https://www.omronsoft.co.jp/products/smapho/iwnn-ime-for-android/ P9 lite で搭載されているバージョンはVer2.7でしたので、若干何かが改良されているようです。 しかしP20 liteで使用すると、遅延やプチフリなどが頻繁に発生してストレスなくスムーズに入力することができません。レスポンスはP9より落ちているようです。HUAWEIも状況を理解しているのか、初期設定では標準キーボード として選択されていません。標準キーボードとして設定されているGboardを使い続ける、もしくはGoogle日本語入力をインストールして標準キーボードとして使用したほうが快適にストレスなく入力できます。 ただし、GboardはGoogle製であり、Google日本語入力では利用規約でクレジット番号等の個人情報もすべて収集すると明記されていますので、仕事でスマホを利用する場合はiWnn IMEを使用したほうが良いかもしれません。そこまで想定してインストールされているのであれば、HUAWEIは富士通やNECやソニーなどの日本企業を超えたものづくりができる大企業であると言えます。 変換能力は以前のままのようで、「かいせんどんや」と入力すると「海鮮丼や」としか変換候補が出てきません。 Google日本語入力を使用した場合の P9 lite と P20 lite の比較ですが、 P20 lite のほうが若干もっさりしており、入力時に反応の悪いときがあります。P9 lite のほうが良かったと思えるくらいの差が感じられます。 □8.WiFi (無線LAN) 受信感度は普通です。P9とP20で差異は感じられません。 特段良くも、悪くもないです。 P9 liteでは未対応だった 802.11a/ac に対応しているため、 一部の人にとっては利点になるでしょう。 □9.カメラ P9 liteとP20 liteで同じシーンを撮影してみました。 撮影時刻は夏の夕方(16時過ぎ)ですので、若干赤みがかるのは原色を忠実に再現していることになります。 比較では、P20 lite のほうが鮮やかに感じます。 森林1 左:P20 lite 右:P9 lite ※クリックすると原画サイズになります ダム1 左:P20 lite 右:P9 lite ※クリックすると原画サイズになります ダム2 左:P20 lite 右:P9 lite ※クリックすると原画サイズになります 橋1 左:P20 lite 右:P9 lite ※クリックすると原画サイズになります 橋2 左:P20 lite 右:P9 lite ※クリックすると原画サイズになります 橋3 上:P20 lite 下:P9 lite ※クリックすると原画サイズになります トンネル 左:P20 lite 右:P9 lite ※クリックすると原画サイズになります 置き物 左:P20 lite 右:P9 lite ※クリックすると原画サイズになります 草木 左:P20 lite 右:P9 lite ※クリックすると原画サイズになります 草木2 (ズーム最大) 左:P20 lite 右:P9 lite ※クリックすると原画サイズになります 草木3(ズーム最大) 左:P20 lite 右:P9 lite ※クリックすると原画サイズになります □10.P20 lite は買いなのか 上記の通り、あまり良いところがありません。 全体的にレスポンスが悪くなっているのも見逃せません。 連続通話時間も落ち、画面が広くなったせいかゲームで処理落ちが発生します。 文字入力の位置もデザイン優先でレイアウトされ、文字入力のレスポンスも悪化しています。 P9 liteが壊れてしまいP20 liteしか入手できないのであれば買いです。 P9 liteに不満がなければ、来年の新機種まで待ったほうが良さそうです。 処分価格で安売りしているP9 lite があれば、予備で買っておくのも手かもしれません。 |
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