No.1004 2016.3.11 100均などで売られている汎用保護シート(フィルム)を使って、機種専用シートのように綺麗に仕上げる方法をまとめてみました。 □1.縦横の寸法取り 保護シートを貼り付ける縦横の長さを求めます。 測定は、樹脂製や竹製の定規(ものさし)で行います。 写真のような金属製の場合、タブレットに傷をつけてしまうことがあります。 手を滑らせて落とした定規の角がタブレットのガラス面に直撃して、悲しい気分になってしまう可能性もあります。 測定は、表面の縦横の長さを求めれば良いのですが、縁の部分に気をつけて測定します。 縁の部分も含めて採寸してしまうと、貼り付けた保護シートが浮き上がったり剥がれてしまいます。 タブレットやスマホの縁は、下図のように大きく分けて2種類あります。 1つは表面のガラス面より縁が高いタイプ、もう1つはガラス面のほうが高いタイプです。 (b)の縁が低いタイプは、境界が分かりやすいので簡単に採寸できます。 この場合の必要な寸法は、測定寸法から2.0mm(片側分1mm)を引いた値を使用します。 例えば測定寸法が220mmの場合は、218mmとします。 219mmにしてしまうと、フィルムがはみ出てしまい貼り付けが難しくなります。 はみ出しが無く貼り付けたように見えても、数μmでもはみ出ていると使用しているうちに剥がれてしまいます。 217mmにしてしまうと、保護できない隙間が増えてしまいますが貼り付けが楽になります。 (a)の縁が高いタイプは、ガラス面から浮いた状態で境界と定規の目盛りを読むことになるため、見誤りやすいです。 この場合の必要な寸法は、測定できた寸法から3.0mm(片側分1.5mm)を引いた値とします。 縁が低いタイプより1mm大きくする理由は、この見誤りによる測定誤差を考慮するためです。 縁が高いタイプは、境界付近に保護シートの貼られないすき間があっても縁自身がガードになるため問題ありません。 例えば測定寸法が220mmの場合は、217mmとします。 218mmとした場合、縁に干渉してしまい貼り付けが難しくなります。 216mmにしてしまうと、保護できないすき間が増えます。 タブレットのように面積が大きくて、保護シート貼り付けが苦手な場合は、216mmのほうが良いかもしれません。 シート貼り付けの難易度、測定誤差、カッティング誤差などを考えた場合、保護できる面積が減ってしまいますが隙間が大きくなるようにしたほうが保護シート貼り付け時に失敗する確率が低くなります。 □2.縦横のカッティング カッティングは、下図のように端を活かすようにカッティングします。 保護シート端は、高精度でまっすぐにカッティングされているので、その端の2辺をそのまま使います。 カッティングは2分割になるように切っていきます。 カッティングには、以下の2種類の方法があります。 (1) カッターを用いる方法 カッターとカッティングマット、金属製の定規(ものさし)を用いて切る方法です。 樹脂等の定規を使用するとカッターの刃が食い込んでしまい、真っ直ぐに切れません。 すべてダイソー等の100均で買えるので、300円+税で揃えることができます。 難点としては、実際にやってみると分かりますが真っ直ぐに切れないことです。 力を入れずに切ると定規から離れるように広がってゆき、力を入れると定規が動いてえぐれるように切れてしまいます。 定規やシートがずれないように、保護シートとカッティングマット、定規と保護シート、定規とカッティングマットを、養生テープやマスキングテープで固定したうえで手で押さえればずれにくくなりますが、それでも真っ直ぐに切るのは難しいです。 (2) 裁断機を用いる方法 裁断機を用いれば、簡単に真っ直ぐに切れます。 昔は安価な物でも1万円程度しましたが、今では1500円以下で購入できます。(2016年2月現在) カール事務器 裁断機 ディスクカッター A4サイズ DC-200N が使えました。 A4サイズ用で重さも軽いので、使わないときにも収納が楽です。 裁断機 画像提供:Amazon.com で、この裁断機。値段がもの凄く安いのですが、刃が Made in JAPAN の日本製です。 刃の鋭さも、100均で売っているものとは根本的に違います。 別売りですが、手で切り取れるミシン目を入れる刃や、粘着テープの糊が付きにくいフッ素コートの刃もあります。 保護シートのカッティングは、標準で付いているノーマルの刃を使います。 本体には目盛りが振られています。これはカット面からの長さを示すものです。 例えば長さを116mmにしたい場合は、端の辺を116mmに合わせます。 カットの方法ですが、まずスライドするレールの部分を下に押しつけます。 レールの裏にゴム?の滑り止めがあるようで、保護フィルムがずれないようになります。 カット後は保護フィルムがレール裏に貼り付いてしまうので、コピー用紙の切れ端などを使用して慎重に剥がす必要があります。 保護フィルムを固定したら、ローラー部分をスライドさせて切断します。 このとき、写真左方向に力を加えながらスライドさせると真っ直ぐに切れます。 力を加えずにスライドさせると、切断面が微妙に〜と曲線を描いたようになってしまいます。 スライドさせるときに、刃が微妙に揺れてしまうようです。 初めて裁断機を使うときは、コツが分からずに少し難しいなと思うかもしれません。 使い方の要点が理解できれば、一瞬で正確に簡単にカッティングできてしまうのでオススメです。 □3.シートのカッティング面 保護シートをカッティングするとき、どちらの面を上を上にしたら良いのでしょうか? 一般的には、接着面を下にしてカッティングされる場合が多いようです。 カッティング時の断面は、下図のようになります。 刃を押しつける力によってシートが変形してしまいます。 (a) の接着面を上にしてカッティングをした場合、赤丸の部分が貼り付けたときに浮き上がってしまうことがあります。 下図は、実際の写真です。 浮き上がらない場合でも、エッジ部分が白く強調されて目立ちます。 (b) の接着面を下にしてカッティングをした場合、貼り付けたときに赤丸部分のエッジがパネル面に押しつけるようになります。 市販の機種専用の保護シートを剥がしたときにうっすらと跡が残ることがありますが、このエッジによるものです。 この跡はパネル表面の傷なので、溶剤を使っても落ちません。 しかし、(a)のように浮き上がることがなく、切断面も透明感が残り目立ちません。 よって、(b)の接着面を下にしてのカッティングが一般的のようです。 切断面が綺麗でない場合は、どちらの面に関係なく上記の写真のような浮き上がりが発生します。 タブレット、スマホ用保護シートの作り方 後編 へ続きます。 |
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