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No.0007-3 2018.2.15


コンデンサの交換修理3 〜交換〜





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□5、コンデンサの交換方法

リード品の交換方法について記載します。あくまでも一例であり、やり方は他にも色々あると思います。
表面実装品も一部で根本的に異なる部分がありますが、同じように交換できると思います。
コンデンサと基板の隙間によって、A、Bの2通りのやり方があります。


A、コンデンサと基板に間がある場合 (おおよそ5mm以上)


  

(1)コンデンサをニッパーで切り離す

取り外すコンデンサが廃棄前提の場合、ニッパーでコンデンサを切り離します。 再利用する場合は、「B、コンデンサと基板に間がない場合」で取り外します。 ニッパーの刃先で基板を傷つけないように気を付けながら、コンデンサ寄りで切り離します。


  


(2)ハンダ小手で暖めながら、ピンセットでリードを引き抜く

はんだにハンダ小手を当てて溶かします。当てたまま溶けている状態で、ピンセットを用いてリードを引き抜きます。このとき、基板は携帯バイスなどで固定しておきます。
紙フェノール基板やCEM3基板の場合は熱に弱いため、溶かす時間は短時間で行います。
紙フェノール、CEM3、FR4の違いは、基板カット面の見た目、基板表面の艶や色、透かしたときの模様、叩いたときの音などで判別できます。

GND側はベタGNDで熱が逃げやすく鉛フリーはんだが溶けにくい場合があるため、
事前に共晶はんだ等を少し盛っておきます。



  


リードを抜いたら「C、共通の後処理」に進みます。



B、コンデンサと基板に隙間がない場合

  


(1)はんだを溶かしてコンデンサを少し傾かせる

はんだにハンダ小手を当てて溶かします。当てたまま溶けている状態で、
コンデンサを押して傾かせます。最初のうちは、わずかにしか傾きません。
可能であれば、両極のはんだを溶かすように小手先を当てます。
強く押すと、基板からパターンが剥がれてしまうので注意が必要です。
紙フェノール基板やCEM3基板の場合は熱に弱いため、溶かす時間は短時間で行います。
紙フェノール、CEM3、FR4の違いは、基板カット面の見た目、基板表面の艶や色、透かしたときの模様、叩いたときの音などで判別できます。

GND側はベタGNDで熱が逃げやすく鉛フリーはんだが溶けにくい場合があるため、
事前に共晶はんだ等を少し盛っておきます。


  



(2)反対側のはんだを溶かして少し傾かせる

(1)と同じ要領で反対に傾かせます。最初のうちは、わずかにしか傾きません。
コツは焦らず無理な力を加えないようにすることです。
無理な力を加えるとスルーホールが抜けたり、パターンが剥がれたりします。


  



(3) (1)と(2)を繰り返す

(1)と(2)を繰り返します。徐々にコンデンサが抜けてきます。
傾けられる量が大きくなりますが、一度に大きく傾けすぎないようにします。
無理な力が加わると、パターンが剥がれてしまいます。


コンデンサが抜けたら「C、共通の後処理」に進みます。



C、共通の後処理

  (1)はんだを吸引器で吸い取る

基板に残っているはんだを小手を当てて溶かし、吸引器ではんだを吸い取ります。
鉛フリーはんだが使用されていて溶けにくい場合は、共晶はんだを少し盛ってから、
溶かして吸い取ります。



  


(2)スルーホールのハンダ面を慣らす

基板にわずかに残っているはんだを小手を当てて溶かし、表面を慣らします。 スルーホール内にわずかにはんだが残ってる場合も、溶けて流れてしまい 穴が広がります。


  


(3)基板表面を無水エタノールなどで洗浄する

基板表面に漏れた電解液の跡が残っている場合は、拭いて完全に取り除きます。 無水エタノールなどを軽く浸した不繊維布等で擦れば取れます。 電解液の跡が残ったままだと、基板のパターンを侵食して断線やマイグレーション等の原因となります。




(4)新しいコンデンサを取り付ける

新しいコンデンサを基板にはめて、半田付けして固定します。 極性を間違えないようにします。 コンデンサをはめたときに、リードを軽く広げるように曲げると抜け落ちにくくなります。


  



□6、コンデンサを交換してもすぐにまた壊れた


(1) 別の素子やICが壊れている

コンデンサが壊れるには、初期不良でもない限り原因があります。例えばスイッチングレギュレータが故障して高圧高周波のノイズが重畳していると、高圧高周波の成分を吸収してしまうパスコンが異常発熱をして短期間で壊れます。この場合、スイッチングレギュレータIC(DC/DCコンバーターIC)を交換する必要があります。 コンデンサ交換時は、オシロスコープでリード間の波形を測定して、異常がないかを確認するのが正しい修理方法です。


(2) 交換したコンデンサが不良品

面倒ですので、新品のコンデンサは何もチェックせずそのまま実装してしまう場合が少なくないと思います。
コンデンサメーカーから直接購入した場合を除いて、いつ生産されたのか、どのような物流ルートで運ばれて、 どのように保管管理されていたのかを特定するのは困難です。
部品屋で購入したような物は、経年変化による容量抜けや漏れ電流増加、ESR増加などを起こしている場合があるため、使用前にはチェックすべきです。


(3) 設計不良

そもそも設計不良なのかもしれません。壊れたコンデンサに負荷が掛かりすぎるような設計は、そもそも設計不良です。とりあえず社内試験では関係者と交渉の結果OKにしてもらい、強引に市場に出したのかもしれません。懸念として残るけれど設計変更している時間がなく、保証期間はきっと大丈夫だろうとそのまま出してしまったのかもしれません。
時間と電気スキルがあれば自己責任で改造・改良してしまえばいいのですが、改造は割と手間が掛かり空中配線などで見た目も悪くなるため、設計的な懸念を感じる物は買い換えたほうが良いと思います。





□7、コンデンサのことを一通り知りたい


以下の文献を一通り読んで理解すれば、コンデンサの座学が一通り理解できたことになると思います。 細かいところは覚えなくても、ライブラリとして活用できます。


ニチコン アルミニウム電解コンデンサの概要
http://www.nichicon.co.jp/lib/aluminum.pdf




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