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「Library Manager」を開いて「PCB Symbols」タブを開き、NE555Dのデータ「SOIC127P600X175-8N」を選択して「Edit...」ボタンを押してください。
部品をダウンロードしていない場合は、
No.ds11401 ダウンロードした電子部品のフットプリントを追加する
に沿って準備してください。
このフットプリントを編集します。
PRO版(ENGINEER版)では、各レイヤーの表示、非表示が選択できます。Copper層やResist層、Paste層に個別のベタを配置することができ、Design Technologyのレジストマスク設定値やステンシル開口部の設定値が反映されない自由な形状を作ることができます。無料版ではこれらの機能がすべて無効化されているため、編集できる要素がほとんどありません。
最初に、寸法の単位と精度を設定します。
Unitを「mm」、Precisionを3に設定しましょう。
精度の理由については、
No.ds11502 入門編 (3) 基板デザインデータを作成する にて記述しています。
最初に現状のフットプリントについて、寸法を確認してみましょう。
Measure アイコンをクリックして測定機能を使います。
Pad1とPad8をクリックしてパッド間の距離を測定してみます。
Distanceタブでパッドの中心間の距離が測定できます。
「Layer」でどの層を測定するか設定できます。通常は[Top]もしくはTop Copperを選択して銅箔層の距離等を測ります。[Top]もしくはTop Silkscreenを選択すればシルク層の測定ができます。
クリックした2点それぞれの形状について、From:、To: に表示されます。
データシートに記載されている推奨パッド寸法と比較して、問題ないか確認してみましょう。
パッド間の端と端の距離について、データシートと比較してみます。
寸法ギリギリのようです。
ピンの部分の形状を詳しく確認してみましょう。
やはり内側はギリギリの寸法のようです。これでは綺麗なバックフィレットができません。
半田ごてを使用してはんだ付けしやすいように、外側も含めてパッドサイズを大きくしてみましょう。
パッドを選択して、「Properties...」を開きます。
「Width」と「Length」の値を変更することでパッドサイズが変更できます。
今回はパッドの幅を0.850mm、Lengthの寸法を2.200mmに広げてみます。
幅を0.200mm広げた理由は、部品の置きやすさの他に0.1mでオーバーレジストすることを考慮しています。
パッドが大きくなりました。ちなみに赤がパッド、オレンジがレジストマスク、緑がはんだペースト(メタルマスク)を示します。Design Technologyの標準設定では、パッドサイズよりレジストマスクのほうが広くなるように設定されています。
基本的に部品の中心がずれないように、パッドサイズが変更できます。
確認のためにパッドサイズ変更後と変更前のパッド中心間の距離を測定してみましょう。
並んでいるパッド間は、どちらも1.270mmで同じです。
向かいあうパッド間は5.422mmで、パッドサイズ変更前と同じ寸法です。
基本的にパッドサイズを変更しても、ピンピッチ等がずれないことが分かりました。
8ピンすべてのパッドサイズを大きくしました。
各パッドを外側にずらして間隔を広げてみましょう。
最初に、Gridの「Step Size」を0.01mm、「Snap Mode」をFortieth Gridに変更しましょう。初期設定のままだと大雑把な移動量となり、細かく部品が動かせません。
部品を選択して右クリックし、「Place」の「Place Horizontally」を選択すると、横軸(X軸)のみの移動ができます。
移動量は、ステータスバーのこの部分を見て確認します。マウスのホイールを回して表示を最大まで拡大すると、移動量が細かくなり微調整ができます。今回は0.3mm外側に広げます。
残念ながらDesignSparkPCBでは、部品や図形について数値入力にて移動量を指定することができません。PRO版(ENGINEER版)でも同様にできません。
パッドが移動できました。他のパッドの同様に移動させましょう。
完成しました。最後にシルクの表示を修正しましょう。
どこが1ピン目なのか分かりやすいように丸印にします。
ツールバーの「Add Shape Circle」をクリックして、円を描きます。
後で微調整できるので、適当なサイズで大丈夫です。
図形を選択して、「Properties...」を開きます。
「Filled」にチェックを入れてOKボタンを押します。
丸の内側が塗りつぶされました。
サイズや位置を微調整したら完成です。最後に保存を忘れずに行いましょう。
保存するときに上書きするかの警告表示があるので、OKを押して上書きします。
再度「Library Manager」を開いて「PCB Symbols」タブのフットプリントを確認すると、キチンと修正が反映されていることが分かります。
すでに配置および配線してしまった古いフットプリントも、修正後のフットプリントへ変更することができます。
部品を選択した状態でメニューの「Utilities」から「Update Components」の「Selected Components」を選択します。
どのように変更を反映させるのか聞かれるので、今回はそのままOKボタンを押します。
「Update Components Summary」が開きます。「Perform Update」ボタンを押します。
選択したフットプリントが修正したものに変わりました。
配線は維持されたままになります。
今回は微修正でしたので、グチャグチャな表示にはなりませんでした。
部品番号のシルク位置や、配線を微修正すれば完了です。
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