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No.2706 2024.3.24




サンバートラック TT2 リアブレーキシュー 交換






□ 1.素人がやってはいけない

ドラムブレーキは、基本的にどのクルマも似たような構造ですので整備士であればブレーキシューの交換ができます。 しかし素人が整備すると、うまく組み付けることができない場合があります。うまく組み付いていなくても構造的に中の状態を確認することができません。ディスクブレーキであればブレーキ液の漏れや異音で分かりやすいのですが、ドラムブレーキは最悪破損して脱輪等が発生したり、デフやトランスミッションまで破壊することもあります。
初めて作業をする場合は、必ず知り合いの整備士の人に教えてもらいながら行いましょう。

という訳で今回は、助手席側のブレーキシューを交換します。

ドラムは引っ張れば外れます。
外れない場合は、サービスホールのネジ穴に5-56等の浸透潤滑剤を吹いてから8mmのボルトを締めこんで外します。サイドブレーキを引いたままでは外れないので、サイドブレーキは降ろした状態にします。必ず輪留めをして動かないようにしましょう。






外したドラムです。シューが当たる部分が減りすぎていたら交換です。





左右のブレーキシューが減っているので交換します。





このクリップを外します。ペンチ等で押して、突起を回して外します。





クリップが外れた状態です。





反対側も同じように外します。





上側のばねを外します。この場合は右側のU字フック側から外します。





マイナスドライバーでも作業できますが、このようなJフックを使用するとバネの取り外しが簡単です。





上側のバネを外すとこのように分解できます。下側のバネとサイドブレーキの自動調整の部品を無くさないように気を付けましょう。





サイドブレーキの部品との連結はバネワッシャーで留まっています。慣れていれば再利用できるように外しますが、普通は新品を使用します。社外品のブレーキシューには基本的にバネワッシャーが付いてきます。ワッシャーは押し込んで取り付ける構造です。ワッシャーを外すときは強力ニッパー等で壊して外します。





左からサイドブレーキワイヤーとの連結金具、シュー、サイドブレーキの自動調整の部品です。順番と向きを間違えないように組付けましょう。





サンバーは左右でピンの構造が逆です。部品が異なるので、向きに注意します。





MKカシヤマの品番はピンのある後ろ側が、SN9928-20 です。後ろ側の左右の2個セットです。





ピンのない前側が、SN9928-10 です。前側の左右の2個セットです。
右側、左側セットという売り方ではないので注意しましょう。






ブレーキシューと当たる部分にグリースを塗ります。赤矢印の凸状の部分に薄く塗ります。
写真は運転席側ですので、助手席は左右反転した構造になります。
ブレーキシューにグリースを塗る理由は、ディスクブレーキのように鳴き止めではなく、錆による固着防止のためです。 ドラムブレーキ用のグリースでも良いのですが少々柔らかすぎて耐久性に難があるので、ディスクブレーキ用のブレーキシムグリースでも大丈夫です。





分かりにくいですが、下側も忘れずに塗ります。





ブレーキシュー下側の突起部分にも薄く塗ります。前後それぞれのシューに塗ります。





ブレーキシューはサイドブレーキと連結されている後ろ側から取り付けます。
次に自動調整機構を取り付けます。





自動調整機構の凹分が、ブレーキシューの凹部分に填め合うように取り付けます。





組み付け後は、自動調整機構のギヤがピンでロックされていることを確認します。ロックされておらずピンがグラグラしているときはピンがギヤに噛みあうように精密マイナスドライバ等で調整します。





ブレーキシューを留めるピンは、シューを組み付けたときに取り付けます。
サイドブレーキワイヤーの連結金具と固定するバネは、一番最後に取り付けます。





下側のバネは反対側のブレーキシューを取り付けるときに、先にバネを前後のブレーキシューに引っ掛けておき、ブレーキーシューでバネを引っ張りながら組み付けます。シューを取り付けてからバネが付けられる車種もありますが、サンバーは無理だと思います。





組み付けた状態です。





ブレーキドラムを入れるときは、ブレーキシューを内側に押し込んで、上下の位置バランスも整えて真円にすれば簡単に入ります。背面板の溝とシューの距離が均一になるように調整します。力を入れて無理矢理押し込んだり、ハンマーで叩いてドラムを入れるのは厳禁です。









□ 2.運転席側で補足説明

助手席側で作業をしているときに、色々と写真を撮り忘れたので運転席側で説明します。

運転席側の自動調整金具、ブレーキシュー、サイドブレーキとの連結金具の連結部分です。助手席側とは逆です。





ブレーキシューの組み付けは、後ろ側から行います。ブレーキシューを留めるピンは、このとき固定します。





自動調整機構をはめ込みます。





前側のシューを取り付けるときは、先に下側のバネを前後のシューに取り付けてから、バネを引っ張って取り付けます。





前後のシューを取り付けてから上側のバネを取り付けます。この部分はマイナスドライバーで取り付けるのは困難ですので、J字フック等の専用工具で引っ張って取り付けます。





最後にサイドブレーキワイヤーの連結金具と固定するバネを取り付けます。ここはマイナスドライバーを使って取り付けます。





組み付け完了です。ドラムを取り付ける前に自動調整機構の状態をきちんと確認しましょう。





サイドブレーキの調整ですが、1ノッチ引いたときにタイヤを手で回そうとしても思いっきり力を入れないと回らない程度にします。自動調整のギヤを長い精密マイナスドライバー等で回して、自動調整のネジ部分になっている長さを調整します。ドラムにゴムキャップが付いている部分が調整を行うためのサービスホールですが、ドラムを外したほうが簡単にギヤを回せます。



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