|
No.2703 2024.1.5
サンバートラック TT2 ロアアーム & ボールジョイント 交換
□ 1.ロアアームが曲がってしまった
□ 2.作業要領
|
今回はスロープを使用して、タイヤを付けたまま交換します。
スロープでフロントを上げてから、ジャッキでボディを2〜3cmほど上げます。
軽トラはフロントヘビーなので、乗用車のようにジャッキアップするとフロントから落ちるので気を付けましょう。サンバーはリアエンジンなので、キャリイやハイゼット並みに気を遣う必要はないと思いますが、念のためです。
まずはリア側のボルトを外します。左右のブラケット固定用のボルトを外してからセンターのボルトを外します。
フロント内側のボルトを外します。ボルト側を17mmのメガネで抑えて、ナット側を17mmのソケットレンチで回して外します。フロント側がナットです。
最後にナックル側を外します。今回はボールジョイントごと外すので、ボールジョイントプーラーを使用せずに矢印の14mmのボルトを外します。ボールジョイント側が錆びていて外れない場合は、14mmのボルトを再び締め付けて、ピンクのナットを外し、ボールジョイントプーラーでロアアームを分離します。
タイヤを付けたまま作業をするときは、厚めの段ボールを二重にしてホイールが傷つかないように保護します。
外したロアアームです。
エグい感じで削れています。ハンドリングに変化はなかったのと、裏側(上側)のフレームには変形がないので、このまま使おうと思えば使えるのかもしれません。
裏側(上側)です。錆はありますが、特に変形はみられません。
ナックル側のボールジョイントです。この程度の錆でしたので、このまま外すことができました。
ボールジョイントが付いていた、ナックル側です。穴の中も特に酷い錆はみられません。新しいボールジョイントを取り付ける前に、ブレーキクリーナー等で穴の中もキチンと清掃しましょう。
ボールジョイントが錆びて固着している場合は、専用工具が必要です。今回はBMW用のブッシュプーラーを使用しましたが、ブーツを外した状態のボールジョイント外径より大きな適度な太さの塩ビパイプと、パイプより大きいワッシャーを何枚か重ねて使えば大丈夫でしょう。ナットをインパクトレンチで回して、ボールジョイントを引っ張り出します。事前に隙間からCRC 5-56をまんべんなく吹き掛けて、浸透させておきます。
ここまで錆びていると、CRC 5-56、プーラー、インパクトレンチを使用しないと取り外し不可能です。
ロアアームを外した状態の車両です。サンバーは錆との闘いですので、この際に清掃して防錆剤を塗っておきます。
リア側は溶接部の錆が進行しないように、防錆剤を塗っておきます。
フロント側内側は特に錆は出ませんが、普段塗れない箇所に防錆剤を塗っておきます。
新しいロアアームです。新品は良いですね。リア側はボルト穴がスライドできる構造になっていますが、フロント内側のジョイントが固定なので、キャンバーやキャスターの調整はできません。
新しいボールジョイントです。念のためブーツを外して中の状態をチェックしてみます。
なんとも雑なグリースの塗り方です。グリースは普通のシャシグリースでしょうか。古くなって油分が抜けているようで硬めになってしまっています。
こんなグリースは綺麗に拭き取って、ワコーズのリチウムコンプレックスグリース M620 を使用します。最高級のグリースです。
こんな感じでまんべんなく塗って、ブーツを再び取り付けて完了です。
ボールジョイントをナックルに取り付けるときは、ナックル側の穴の中に ダイゾーニチモリ DB-200パッドグリース もしくは モリリキ アルミスペシャル LM-1501 を塗っておくと錆が発生しにくくなります。
ボールジョイントが入りにくい場合は、ボールジョイントのボルト側をハンマーで軽く小刻みに叩くと入っていきます。
ボールジョイントを取り付けてからロアアームを取り付けます。ボールジョイントのボルトは仮締めにしておきます。
ロアアームは、最初にフロント内側を取り付けてから、リヤ側を取り付け、最後にボールジョイントと填め合わせます。位置がずれている場合は、タイヤを回して位置を調整します。ボルトはすべて仮止めにしておきます。
最後に最初に2〜3cm浮かせていたジャッキを降ろして1G荷重状態にしてから、ボールジョイントやロアアームの各ボルトを本締めします。最後にボールジョイントのナットに割ピンを付ければ完成です。
|
|