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No.2514 2020.10.17
MB W211 722.9 7速 ATF 交換
□ 1.トランスミッションはメルセデス製
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どこまでホントか分かりませんが、メルセデスはトランスミッションをすべて内製しているようです。
BMWやトヨタのように他から買っているのかと思ってましたが違うようです。
国内ではホンダは昔からトランスミッションを内製しています。
今回ATFとATFフィルターを交換する7速ミッション(722.906、W7C700)もメルセデス内製とのことです。
交換に必要な部品は、以下の通りです。
オイルパンのガスケットはゴム製で、液体ガスケットを使う必要がありません。
オイルパンは前期と後期の2種類があります。前期のオイルパンは今回のように底面がフラットになっています。
後期のオイルパンは、底面の後ろ側に傾斜が付いています。オイルパンの形状によって、使用するオーバーフローパイプも異なるため注意が必要です。
オイルパンボルトは、アルミ製で再利用不可部品とのことです。なぜアルミ製なのかは分かりません。
2202710380 オイルパンガスケット
2212770195 オイルフィルタ
0049903512 スクリュー M6X40 ・・・6本
007603012102 ドレーンボルト用ガスケット
オーバーフローパイプ(前期と後期で異なります)
2512710097 前期用(クリーム色)
2222710097 後期用(緑色)
ATFの規格はDEXRON IIIのようですが、一般的な物とは成分が異なる?ようでメルセデス純正品を使用します。
7速トランスミッションでも組み合わせや製造番号によって2種類あります。
上記のオーバーフローパイプの見分け方とは異なるので注意が必要です。
今回交換するAT(722.906)は、001989680313 になります。
4Lきっちり入るので、1Lを4〜5本買います。
001989680313 平成22年5月登録車まで
001989770309 平成22年6月登録車以降
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□ 2.ATFの抜き取り、ATFフィルター交換
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最初にオイルパンの端に付いている金属製のガードを外します。
T30のトルクスで外れます。
オイルパンを外してATFを抜きます。
写真は、すでにATFを抜いてオイルパンを外した状態です。一般的には、ドレーンボルトを外し、ドレーンの穴にマイナスドライバー等を入れてオーバーフローパイプを折り曲げて外し、ATFを排出するやり方が一般的なようです。
今回は、いきなりオイルパンを外します。
オイルパンを外すと、4L分のATFが溢れ出ます。衣装ケースくらいの大きなオイル受け皿か、大きなポリ袋等が必要です。
オイルパンの6か所のボルトを外すときには1本ずつ抜き取ってしまうのではなく、すべてのボルトをある程度の長さまで残しておいて、後方に傾くようにオイルパンを外すとその方向にATFがうまく排出できます。
ボルトE10のトルクスです。
ATFフィルターは、下に引っ張れば外れます。ボルト留めや樹脂爪等では固定されていません。
取り付ける時も、パイプの部分を穴に押し込めばOKです。
以下はフィルターが外れた状態です。
外したATFフィルターです。
特に金属屑のようなものは付着していませんでした。
外したオイルパンです。
鉄粉?のようなものが堆積しているので、パーツクリーナー等を使用して綺麗に清掃して拭き取ります。
以下の写真は、すでに清掃済です。
磁石にも鉄粉が堆積しているので、同じく綺麗に清掃します。
オーバーフローパイプは、折らなければ再利用可ですが、160円程度の部品ですので交換しても問題ないでしょう。
古い樹脂は、経年変化によってオイルに侵食されて自然に割れることもあります。
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□ 3.オイルパン取り付け、ATF給油方法
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ATFフィルターを取り付けたら、オイルパンを取り付けます。
オイルパン取付前には、予めオイルパンガスケットを交換しておきます。
オイルパンの取り付けボルトは、新品を使用します。
オイルパンは、写真のように金具を介して取り付けます。
真ん中と隅で金具の形状が異なるので、間違えないように気を付けましょう。
オイルパンの取り付けボルトの締め付けトルクは、5N・m程度のようです。
しかしそんな弱いトルクレンチは持っていないので、今回は7N・mで締めました。
アルミ製の細いボルトですので、普通に力を入れると簡単に折れるでしょう。
ATFの給油は、ドレーンボルトを外してドレーン穴から注入します。
ドレーンボルトは、T40のトルクスを使います。
給油は、高価な道具でなくて大丈夫です。
写真のように、500ml程度の大きいオイラーに耐油ホースを付ければ十分です。
給油は、最初にエンジンを止めた状態で注入します。
3Lくらい入ると思います。
溢れ出したらエンジンを掛けます。
エンジンを掛けたまま注入するとさらに1Lくらい入ると思います。
溢れ出したらエンジンを掛けたまま、10分くらい放置します。
この放置時間中に、シフトをPからD、R、N等に何度か入れてPに戻すと、より正確な油量になります。
放置時間は、正確にはATFの温度が46℃程度になるまでが正しいです。
しかし油温は、写真のようにメルセデス純正診断機等を使用しないと分かりません。
夏の冷間時から10分くらい放置すると、それくらいの温度になります。
既定の時間(既定の温度になるまで)放置後に再度給油して溢れたらドレーンボルトを締め付けてエンジンを止めます。
このとき、ドレーンボルトのワッシャーは新品を使います。
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