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No.2050 2020.1.10
BMW E46 3シリーズ ラジエーター 交換
□ 1.オーバーヒートが発生
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走行中にボンネットの左側から煙が発生しました。水温計の温度表示は、なんと140℃。
ボンネットを開けると、ラジエターキャップから凄い勢いで水蒸気が噴き出しています。
エキスパンションタンクやラジエーターのアッパーホースも熱くて火傷してしまうような温度です。
しかし、ラジエーターやロアホースを触ってみると冷たいままです。
以下の写真は温度が冷めて冷却水が乾いてしまっている状態ですが、惨状は想像できるでしょう。
これはサーモスタットの動作不良もしくはウォーターポンプのスクリューの不良だと思い、
一式を交換してみました。
交換部品の品番は、以下の通りです。
ただし2万キロほど前にエキスパンションタンクの割れが発生し、以下の部品はエキスパンションタンク下のサーモスタット以外を交換済みです。
ウォーターポンプ(クーラントポンプ) 11517509985
サーモスタット付サーモスタットハウジング 11531437040
サーモスタット 17111437362
エキスパンションタンク(リザーバー) 17117573781
ラジエター キャップ 17117639022
エンジン側のサーモスタットは4ヶ所のボルト留めですので簡単に外せます。
ウォーターポンプは、4ヶ所のナットを外したあと、2か所のサービスホールに6mmのネジやボルトを締め込んで
浮かせるようにします。
以前に交換しなかったエキスパンションタンク下のサーモスタット。
困ったことに取り外すときに樹脂部分が砕けて取れてしまいます。
位置合わせの突起部分をラジオペンチで引っ張ることでなんとか抜けましたが、
外れないことも考えて「取付けプレート 17111436251」も準備しておいたほうが良いかもしれません。
エキスパンションタンクには割れがみられませんでしたが、交換してすべて組み付けて
ラジエーター液を入れてエア抜きをして暖めてみました。
しかし症状は改善せずにオーバーヒートし、ラジエターキャップから水蒸気と冷却水が再び吹き出しました。
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□ 2.ラジエーターの交換
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残るは、エンジン内部の詰まり、もしくはラジエーターの詰まりしかありません。
エンジン内部の詰まりであればお手上げです。ラジエーターが原因である望みを信じて交換してみることにします。
ラジエターの品番は、17119071518 です。ノーブランド品だと寸法的な品質に問題があるようですので、品質が確かなHELLA製を選びました。なんと2019年8月製の出来たてホヤホヤのラジエーターです。
プラバンド2本で留まっているだけですが、冷却フィンが曲がらない最適な梱包だと思います。
外し方は簡単で、冷却水をラジエーターのドレインから抜いたあと、ラジエーターファンやエキスパンションタンクを外します。
ラジエーターのロアホースは、ラジエーター側の勘合が絶対に外れないのでエンジン側のみ外してホースを付けたままにします。よってロアホース(品番 11531436408 )は新品を準備しておく必要があります。
写真のトルクスのボルトを外したら、両側の上から止まっているゴム製のボルト?を回して外します。そうするとラジエーターは自由に動けるようになるので、ラジエーターをエンジン側に押し出して両側の樹脂部分の真ん中あたりにある勘合が外れると、ラジエーターを上から抜くことができます。
取付けプレートは、ラジエーターが単独の状態で取り付け取り外しを行います。2か所のトルクスボルトで留まってます。
取付時は、矢印の位置に隙間ができないように取り付けます。
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□ 3.冷却水(クーラント、LLC)の注入とエア抜き
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この作業はエンジンを止めた状態で行います。国産車とは構造や扱い方が大きく異なるので注意が必要です。
ラジエーターキャップを外してエンジンを掛けているだけでは、エアは抜けません。冷却水は、2L800円程度で売っている普通のLLCで十分です。量は6Lくらい入るので、2Lを4本くらい準備しておきます。
最初に冷却水を入れる前に、矢印のエア抜き用のプラグを取ります。
ボルトやネジと同じように、回して完全に外します。緩めただけだとエアが抜けず、冷却水が入りません。
ラジエーターキャップを外した注入口から冷却水を「少しずつ」入れてゆき、エア抜きのところから冷却水が溢れてきたら、冷却水の注入は終了です。
このときはまだ、エア抜き用のプラグを締めてはいけません。
エンジン側のエア抜き用のボルトをラチェットなどで緩めます。緩めたら手でボルトを回して外すと、数秒して冷却水が出てきます。そうしたらすぐにボルトを手で締め、ラチェット等で完全に締め付けます。次にエキスパンションタンク側のエア抜き用のプラグを締め付けます。最後にレベルゲージの浮いた状態を確認しながら、冷却水の微調整を行います。微調整は、油さし用の新品の容器(オイラー)を使うと簡単にできます。ラジエーターキャップを締め付けたら、冷却水の注入とエア抜きは完了です。エンジンを掛けて走行してみたところ、オーバーヒートせずに92〜96℃程度で安定するようになりました。今回のオーバーヒートは、ラジエーターの詰まりが原因だったようです。
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