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No.2038 2019.7.27
2019.8.26 追記




BMW E46 3シリーズ タイロッド 交換 ハンドリング 不良






□ 1.走行中にフラつくハンドリング

BMW E46特有の症状の1つとして、ハンドリング異常があります。
轍(わだち)でハンドルを過剰に取られたり、真っすぐ走らせるのが大変だったりする症状です。
BMWといえばリニアなハンドリング感覚が定評ですが、E46に限れば新車時のみの話です。




色々と部品を交換しても改善されず、悩んでいる人もいれば、こういうものだと諦めている人もいるでしょう。
今回、一番効果の大きいタイロッドを交換しました。
修理工場さんでも気づいている人も多いようで、昔から社外品を含めて大量に販売されて頻繁に交換されている部品なのですが、 なぜかGoogleで検索しても交換例が出てこない箇所だったりします。

品番は、
左側が 32106777503
右側が 32106777504
です。




□ 2.とりあえず右側から交換してみる

基本的にE46は、左右の両方とも交換すべきです。
どちら側から交換したほうが良いといった順番はないので、右側から交換してみます。
潜って作業をするので、スロープや二柱リフトがないと厳しいでしょう。
これが交換するタイロッド部分です。

ちなみにステアリングのジョイント部分を持って左右に動かしてみると、 ステアリングラックのギヤにガタツキがあると分かると思います。 しかしラックのリビルド品は流通しておらず、そもそもラック内部で感じるガタツキは走行にほとんど関係ないようです。 パワステの油圧でうまくバランスが取れているようです。




タイロッドエンドブーツのバンドを外した状態です。 ラックギヤのグリースは、完全に機能を失っているようです。 タイロッド交換後のエンドブーツ取付前にグリースを充填しておきます。 古いグリースは拭き取って、リチウムグリースを沢山盛っておけばよいでしょう。




矢印のジョイント部分が緩くなっているとハンドリングに安定感がなくなります。 通常の状態では揺すってもビクともしない部分なので、緩くなっていても分かりません。 タイロッドエンドを外してみると、緩くなっていることが分かります。




取り外すときは、以下の手順で行います。
このときトー調整用のナットは絶対に緩めてはいけません。

 (1)タイヤを外す
 (2)タイロッドエンドをナックルから外す
   (このときタイロッドエンドプーラーは国産車用の小さい物だとジョイントの隙間に入りません)
 (3)ラックと連結しているタイロッドを、モンキーレンチ等を使用して外す
   (ネジ山の向きは交換品と同じです。交換品のネジ山を見て回す方向を確認します)

上が社外品の新品、下が取り外した物です。
新品を取り付けるときは、タイロッドエンドジョイント部の中心からラック連結部のまでの長さをmm単位で合わせておきます。




新品のタイロッドには、ジョイント部分にほとんどグリースが塗られていませんでした。 タイロッドエンドを取り付けてラックエンドブーツを固定する前に、 このボールジョイント構造の部分にグリースをたっぷり盛っておきます。 グリースは、ドライブシャフト用のグリースがおススメです。




ラックエンドブーツのブーツバンドはちゃんと専用工具を使いましょう。 ペンチで引っ張ってもキチンと締め付けることができず、水が浸入してしまいます。 2000円くらいで買えます。



左も同じように交換します。




□ 3.トーイン調整

タイロッドの交換は、割と簡単にできると思います。
重労働で難しいのは、このタイロッドのトーイン調整です。
タイロッドを取り付けるときに予め長さを合わせておけば、ある程度は合っています。 しかし細かい調整はできていないため、そのまま走行するとハンドリングが異常に重かったり軽かったりします。
直線を走っていてもハンドルが曲がっていると思います。

とても大変な作業ですので、オートバックスやタイヤ館に行ってアライメント調整してもらうのをおススメします。
費用は3万円くらいだと思います。


DIYなトーイン調整の方法は、Googleで検索すれば沢山出てきます。 要点は下図の通りです。 ここで難しいのはA=Bでハンドルが真っすぐでも、平行四辺形になっていると 走行したときにハンドルが曲がってしまってトー調整も変な値になってしまうことです。 左右のタイヤが均等に曲がってしまいます。 実際にやってみると、DIYで調整するのには限界があることが分かると思います。 コツは、片側を交換したら交換していないほうを基準にタイヤ前後の寸法が同じになるように調整するとうまくできます。






□ 4.その他のハンドリングに影響を及ぼす箇所

E46の定番ですが、以下の個所がハンドリングに影響を与えます。


(1)ロアコントロールアームブッシュ

通称ロアコンブッシュと呼ばれるものです。
品番は、31126783375、もしくは 31126783376 です。
社外品でも純正品でも良いのですが、
純正形状のままだと3000〜5000kmで寿命になってしまいます。
写真のように接着剤等で溝を埋めると数万kmに寿命が高まります。







(2)スタビライザーブッシュ

スタビライザーを固定するラバーマウントです。
このゴムは、経年変化で穴が大きくなってしまいます。
するとスタビライザーの余計な動きが大きくなってしまい、路面の凸凹に対するハンドリングが不安定になります。
スタビライザーは太さが2種類あり、ノーマルは21.5mm、Mスポやスポーツグレードだと24mmです。

品番は、
ノーマル用が 31351094554 で2個、
スポーツ用が 31351094556 で2個
です。








(3)ステアリング ユニバーサルジョイント

ステアリングシャフトとステアリングラックをジョイントする部品です。
後期型の場合は、この部品がガタガタになる場合があるようです。
部品図の1番と2番が後期、3番と4番が前期になります。
海外では色々と交換例があります。
左ハンドル用だと難易度が高いようですが、右ハンドル用だと簡単に交換できます。
前期もラバーマウント部分のゴムが劣化して柔らかくなります。

https://www.youtube.com/watch?v=8TGw7oL0c-Y
https://www.youtube.com/watch?v=kwJKBAsciGg
https://www.youtube.com/watch?v=SNsNnIhATLY
https://www.youtube.com/watch?v=yWLA-VLc2xk


前期の場合、部品図の3番の部品もジョイント部が劣化する場合があるようです。
かなり高額の部品になります。

https://www.youtube.com/watch?v=bwT1_Lv9fz4







(4)フロントアッパーマウント

ショックアブソーバーとボディを連結する部品です。 写真のベアリングの部分にガタが出てくると、ハンドルが軽くなってフラフラした感じになります。 ゴムキャップを外して、車検ごとにグリスアップするのが望ましいようです。





(5)フロントスタビライザーリンク

ショックアブソーバーとスタビライザーを連結する部品です。 ボールジョイントの部分が緩々になっています。 常にテンションが掛かっているため、外してみないと劣化具合が分かりません。 写真のように、下から潜ればタイヤを付けたまま交換できます。 品番は左右共に、31356780847 です。組み付け時は、上下の方向があるので間違えないようにします。 交換すると轍(わだち)にハンドルが取られにくくなります。





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