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No.2024 2017.4.30
トヨタ タウンエースノア のスタビリンク破断
□ 1.左リヤから異音?
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知人のタウンエースから、異音が出るとのこと。
左後ろから異音が出るので見て欲しいとのことで、見てみました。
とりあえずタイヤでも外してみます。
ん?
スタビライザーリンクが切れてます。
こんなところが破断するんですね。初めてみました。
スタビライザーリンク定番の不良は、
ゴムブーツの破れやボールジョイントのガタですが、
破断は聞いたことがありません。
周りのアーム等に凹みや曲がり、傷が一切ないため、何かに衝突して壊れた訳ではないようです。
ちなみにこの車種、リヤはリジッドアクスルです。
破断部の拡大写真です。
溶接部分が取れてしまったようです。
亀裂から水分が入り腐食が進んで破断でしょうか?
腐食が進んでいるので分かりませんが、
金属疲労等による破断だと、材料にもよりますが少し違う感じになると思います。
ちなみにボールジョイント部分は、ブーツの破れもなく
固着やガタツキもなくスムーズに動きます。
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□ 2.さっそく注文
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とりあえず交換するしかないので注文しました。
トヨタ品番:48830-28010 リヤスタビライザリンクASSY LH
です。
純正部品でトヨタ品質ですから、間違いはないでしょう。
でも気になるので、念のため確認してみます。綺麗な溶接ですね。
ん?
横割れのようなものが、数カ所あります。
念のため、破断した箇所の反対側も確認してみます。
かなり溶接が盛られてますね。
ん?
なんだこれ?
かなり盛られた裏側は、多数の横割れが入っています。
このまま交換して再度破断されては、
当方の腕が真っ先に疑われてしまいます。
単品不良なら交換してもらえればOKですが、
そもそも不良品を外に出さないのがトヨタ品質の要です。
交換品も不良の可能性がありますので、
念のためトヨタ自動車のお客様相談センターに問い合わせてみると・・・
「ご不審を抱かせることとなり、申し訳ございません。
ただ、何分にもメールだけでは、詳しい状況が判りかねます。
お手数ですが、部品商様を通じてトヨタ部品共販店にお申し出いただきますよう
お願い申し上げます。」
そりゃそうでしょう。
では写真等の資料を送付しようと返信したら・・・、
*******************************************************
このメッセージは、メールサーバーより自動的に送信されています。
大変恐れ入りますが、今回ご使用されたEメールアドレスでの受付けは
行っておりません。
誠に申し訳ございませんが、弊社ホームページ http://toyota.jp/
中の「お問合せ」の入力画面をご使用いただき、ご送信下さいますよう
お願い申し上げます。
*******************************************************
・・・なるほど。
「お問合せ」の入力画面に添付資料をアップロードする項目は、ありません。
写真や動画などの決定的な資料は一切受け付けないということでしょうか。
共販を経由すると時間が掛かると思って相談したのですが・・・。
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□ 3.問い合わせ
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というわけで、
このまま取り付ける訳にもいかないので、部品を交換してもらうために問い合わせ。
聞いてみたところ、在庫品をチェックしてみたが、
すべてに同じようなクラックが入っているとのこと。
気になるなら本社に調査を依頼するが、時間が掛かるとのこと。
残念ながら、部品は交換してもらえず戻ってきました。
無駄な1週間を過ごしてしまいました。
開封して再度撮影です。
まずは、クラックの酷かったボールジョイント側
よく見ると横割れと共に縦割れも起こしています
金属棒(支柱)側にも小さなひび割れが入っているのが分かります。
次に、バー側の溶接部
角度を変えるとクラックにも見えますが、
溶接不良(温度不足)によってその部分が溶けずに残っているようにも見えます。
一般的には、溶接部にクラックが入っていれば不良ですが、
トヨタでは良品ということなのでしょう。
ではなぜ溶接部分が破断したのか? ということになりますが、
きっとトヨタにおいて溶接部分とは寿命部品であると定義がされていて、
一定の距離または期間が経過後は破断してもかまわないという考えの下で設計されているのでしょう。
という感じで、持ち主から催促されていることもあり、前向きにポジティブに考えて、
防錆処理を施して取り付けてしまいました。
ちなみにもしクラック部分の再溶接をしたい場合、ちゃんと削ってから盛らないとまたクラックが入るとのことです。
そんな技能はないのでそのままとしました。
スタビライザーバーの太さは20mmです。
スタビリンクの締め付けトルクは、
ボールジョイント側 4.9kgf・m
バー側側 3.57kgf・m
です。
持ち主に返したところ、異音が無くなったようで喜んで頂けました。
「そう言えば、今まで付けていた冬用タイヤのホイールに傷がたくさん付いていた」とのこと。
最悪の場合、高速走行中にホイールに突き刺さって、死亡事故が起きていたかもしれません。
世界に誇るトヨタ品質ですが、昔の部品はそれなりのようです。
壊れた部品には社外品を用いるか、
取り付ける前には必ずチェックをしたほうが良いのかもしれません。
□ 4.レクサス?
品番ラベルを見て、ふと気づいたのですが、
トヨタのマークの横にレクサスのマークが。
レクサスの部品も共販で流れてるんですね。
ダイハツみたいに別扱いなのかと思ってました。
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